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三重県多気町の河武醸造「鉾杉」 イタリア酒品評会普通酒部門唯一の最高賞

三重県多気町の河武醸造「鉾杉」 イタリア酒品評会普通酒部門唯一の最高賞
(撮影=岩咲滋雨)

三重県多気町の河武醸造「鉾杉」 イタリア酒品評会普通酒部門唯一の最高賞 (撮影=岩咲滋雨)

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 日本酒やしょう油・みそなどを製造販売する河武醸造(多気郡多気町、TEL 0598-37-2037)が5月18日から、昨年イタリアの酒品評会で最高賞を受賞した「鉾杉(ほこすぎ)秀醇(しゅうじゅん)」の受賞記念限定商品の販売を行っている。

【その他の画像】「鉾杉 秀醇」イタリア酒チャレンジでプラチナ賞受賞

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 同社は、日本神話「岩戸伝説」に登場する力持ちの神様「天手力男命(アメノタジカラオノミコト)」を祭る佐那神社(同)のすぐそばの、日本一の清流宮川と櫛田川に挟まれた地で、1857(安政4)年に創業。2つの川の伏流水でもあり、かつて弘法大師が掘り当てたとされる「二つ井」の湧き水をくみ上げ日本酒を製造する。

 代表銘柄の「鉾杉」は、伊勢神宮の神域で力強く伸び続ける杉の木がほこの形をしていることから命名。同銘柄の大吟醸や本醸造など合わせて約30種類の日本酒をラインアップする。「鉾杉 秀醇」は、全国新酒鑑評会で1991(平成3)年と1992(平成4)年の2年連続で金賞受賞、2019年全国燗酒コンテストお値打ち燗酒熱燗部門で金賞受賞。

 「鉾杉 秀醇」は、一般酒や大衆酒と呼ばれる「普通酒」で、イタリア酒ソムリエ協会が昨年初めて開催した「ミラノ酒チャレンジ」の日常的に楽しむ普通酒部門で唯一、最高賞のプラチナ賞を受賞した。「鉾杉 山廃仕込み純米酒」は金賞を受賞した。

 8代目社長の河合英彦さんは「『鉾杉 秀醇』は即醸(そくじょう)と山廃仕込みでできた酒をブレンドし爽やかな香りにコクとまろやかさが出るように造っている。普通酒だからといって普通酒の感覚では造っておらず、主力商品として造っている。吟醸酒や純米酒が評価されるのは杜氏や従業員にとって誉れだが、普通酒の『鉾杉 秀醇』が最高賞を受賞できたことは、昔からやってきたことを手を抜かずに継続してきた結果だということの証しになるので、評価されたことはとてもうれしくありがたく、先代や愛飲していただいているお客さまにも示すことができ、ほかのお客さまにも再認識していただくきっかけになったと思う」と話す。

 河合さんは「昨年12月にはイタリア食科大学で学ぶ世界中から集まった学生20人以上が視察に訪れた。『ミラノ酒チャレンジ』の受賞を弾みに、海外へ目を向け販売を強化しようと動き出していたが、新型コロナウイルスの影響で海外展開できず、2月~4月は完全に輸出がストップし、全体の売り上げも約40%ダウンした。今回、受賞を記念した新ラベルを2000本限定で販売する。2000本売り切ったころには『鉾杉 秀醇』のラベルを一新するのでなじみあるこのラベルを見るのは最後になる」とも。

 「鉾杉 秀醇」は、瓶(300、720、900、1800ミリリットル)、紙パック(1800ミリリットル)、「とっくり」「杉の子カップ」(以上180ミリリットル)をラインアップする。多気町で開くコスプレイベント「おたコス」のコラボ商品としてラベルを変えた、おたくブランド「萌杉(もえすぎ)」も「鉾杉 秀醇」の隠れた商品の一つという。

 限定2000本の「鉾杉 秀醇」(720ミリリットル)の価格は770円。

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