伊勢志摩国立公園上空からスカイダイビングする「伊勢志摩スカイダイビングクラブ」(度会郡南伊勢町田曽浦、TEL 0599-77-4526)が9月13日から、活動を開始した。新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けてニュージーランド出身インストラクターの入国手続きに時間が掛かったため再開が遅れていた。
【その他の画像】伊勢志摩スカイダイビング眼下は美しいリアス海岸
南伊勢町の田曽白浜に設置したヘリポートからインストラクターと共にヘリコプターに搭乗、一気に高度1万フィート(約3000メートル)まで上昇すると、そこは入り組んだ入江や小さな島々が浮かぶリアス海岸が美しい英虞湾や五ヶ所湾を眼下に、太平洋や伊勢湾、その先の知多半島や渥美半島、気象条件が揃えば遠く富士山まで臨むことができる。1万フィート地点からイグジットする(飛び降りる)と時速250キロのスピードで約30秒間のフリーフォール(自由落下)、パラシュートが開くとのんびりとした空の遊覧を体験することができる。
伊勢志摩スカイダイビングクラブは、2018(平成30)年に試験的にサービスを開始、2019(平成31)年から本格的にサービスを始め、今年で3年目を迎える。
当初5月からのスタートで準備を進めていたが、世界的な新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて全てのサービスを一旦中止せざるを得なくなった。その後少し落ち着いてきたことから1万5000回以上のジャンプ経験を持ち、3年連続同クラブのインストラクターを務めるRhys Brady(リース・ブレイディ)さんの入国手続きを進めるも、書類の提出やPCR検査などの手続きに時間が掛かり、最終的に4カ月遅れでの再開となった。
同社のスカイダイビング担当者は「リースさんの入国申請開始から約3カ月掛かった。入国許可が下りたが、入国者は公共交通機関を使えないので成田空港まで車で迎えに行った。入国手続きにはPCR検査などで通常6時間以上が掛かると聞いていたが3時間くらいで終わったので、そこはラッキーだった。その後社員寮で2週間自宅待機し、全ての項目をクリアしたのでスカイダイビングを再開した」と話す。
人口約480万人のニュージーランドは、同じ島国でも日本よりもコロナ対策を徹底。早期にロックダウンするなど政府の対応が世界的に高く評価されている。10月3日現在の感染者1849人、回復者1783人、死亡者25人。
リースさんは「日本政府から入国許可をもらうのに書類が多くとても大変だった。出国の際にPCR検査を受けて陰性であれば72時間以内に出国しなければならなかった。飛行機の中では1列に1人が座るだけでソーシャルディスタンスが保たれていた。早朝だったこともあるが成田空港はガラガラだった」と説明する。
「今度ニュージーランドに戻るときには、政府の用意した施設で14日間の隔離が強制的に行われる。クリスマスに家族と過ごしたいので12月5日に日本を出国する予定。ちなみに、その隔離施設の利用料金は3,100ニュージーランドドル(日本円で約22万円)を支払わなければならない…。母国にウイルスを持ち込んではいけないので、僕はスカイダイビング中でもマスクを着用する。僕が日本に滞在している間に、多くの人にスカイダイビングを体験してもらい、伊勢志摩の美しさを体感してほしい」と呼び掛ける。
タンデムスカイダイビング体験費用は4万9,800円(機材レンタル費)。最少催行人数1人~、対象年齢16歳以上、体重45~90キロ。当日の気象条件により中止になることがある。