志摩市在住で真珠生産者の山﨑彰彦さんが1月8日、志摩市の成人式に真珠をつけてもらおうとマスクに簡単に取り付けることができるマスクチャームの販売を開始した。
山﨑さんは、真珠養殖発祥の地・英虞(あご)湾で祖父の代から80年以上続く家業の真珠養殖を継ぎ36年になる生産者。これまで真珠の生産一筋だったが、「丹精込めて育てた真珠をお客さまに届けたい」と一念発起し、6年ほど前から真珠アクセサリーの小売り業にも乗り出し、地元ホテルの売店などで販売も行った。昨年12月10日に、ネットショップ「パールジュエリーやまびこ」を立ち上げた。
山﨑さんは、真珠養殖業者にとって収穫作業となる真珠の採集(真珠玉の取り出し)作業を終えたばかり。「アコヤガイの稚貝が大量にへい死し、真珠業界全体が落ち込み、産業そのものが無くなるのではないかと言われている状況。マイナスのことばかりを考えていても仕方ないと思い、明るい話題を提供したいと日々考えている」と山﨑さん。
マスクチャームは、英虞湾産の天然アコヤ真珠を使用したもので、「ハート型真珠」(7,700円~)、「ナチュラルバロック7ミリ」(3,900円~)などを用意。
山﨑さんは「コロナ禍でマスク姿の成人式を想像した時に、せっかくきれいにメイクした顔もマスクで隠れて残念に思っている成人も多いのではと思い、急きょ真珠のマスクチャームを作ることに。成人式ギリギリになったが、なんとか間に合わせて着けてもらえることができた」と話す。
1月10日に行われる志摩市の成人式に出席する同市阿児町出身の伊原万朝(まあさ)さんは祖母の真珠のブローチを帯留めにアレンジしたり、指輪やブレスレットなどできるだけ真珠を身に着けた。伊原さんは「真珠のチャームがとてもかわいくて、マスク姿でもおしゃれ」と満足そう。
山﨑さんは「真珠養殖発祥の地である志摩市で生まれ育った新成人たちに真珠を着けてもらって、真珠の生産地の志摩市出身であることを一生の誇りに思ってもらえたら嬉しい」と思いを込める。