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伊勢市の明野高校生と多気町の河武醸造が日本酒新ブランド 販売前から1000本予約

伊勢市の明野高校生と多気町の河武醸造が日本酒新ブランド 販売前から1000本予約(写真提供=明野高校西恭平教諭)

伊勢市の明野高校生と多気町の河武醸造が日本酒新ブランド 販売前から1000本予約(写真提供=明野高校西恭平教諭)

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 三重県立明野高校(伊勢市小俣町)の生産科学科作物部門に通う高校生が育てた米で醸した新ブランドの日本酒・純米吟醸酒「明野さくもつAS」が1月30日、河武醸造(多気郡多気町、TEL 0598-37-2037)から出荷され販売が始まった。

【その他の画像】明野高校と河武醸造がコラボし純米吟醸酒「明野さくもつAS」

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 1879(明治12)年創立の同校は、三重県勧業試験場を起源とし、農業について学習する生産科学科のほか、食品化学科、生活教養科、福祉科を持つ。過去に高校野球で春・夏計8回甲子園に出場。巨人などで活躍した志摩市出身の元プロ野球選手・大道典嘉さんらを輩出する。

 1857(安政4)年創業の同社は、日本一の清流宮川と櫛田川の伏流水を使い日本酒を製造。代表銘柄は「鉾杉(ほこすぎ)」。インターナショナル・ワイン・チャレンジIWC2020年日本酒部門で「鉾杉」の「特選赤ラベル純米吟醸酒」と「山廃仕込み純米酒」がダブルで金賞に輝いた。

 新ブランドの純米吟醸酒「明野さくもつAS」は、山田錦の元親といわれる伊勢錦の突然変異種を三重大学生物自然学部が品種固定し生まれた酒米「弓形穂(ゆみなりほ)」を醸して造ったもの。国際農場基準グローバルGAPに基づいた同校の農場で、田植えから稲刈り、仕込み、上槽・搾り、ネーミング、ラベルデザインまでを高校生が担当し、約1300本を完成させた。

 酒米「弓形穂」の存在を知っていた酒販店「みよしや」(伊勢市小俣町、TEL 0596-22-2546)の社長・杉浦孝彦さんが双方に呼び掛け実現した。同社8代目社長の河合英彦さんは「口当たりの良いフルーティーな味わいに仕上がった」と評価する。

 リーダーで高校3年生の梅澤瞭太さんは「弓形穂は背丈が高く、稲刈り機によく絡まっていたので大変だった。ネーミングやラベルデザインにも関わらせていただき、貴重な体験ができた。今は未成年なので飲むことはできないが、20歳になった時にみんなで一緒に味わいたい」とほほ笑む。

 河合さんは「発売前から1000本以上の予約を頂いている人気の新ブランドとなった。来年度は同校敷地内の水田4反にそれぞれ肥料の量や与える時期などを変えデータ取りした実験など最適な栽培方法を見つけたい」とも。

 720ミリリットル入り、価格は1,870円。販売店は、「みよしや」(伊勢市小俣町)、「岡田酒店」(伊勢市宮後)、「もも屋」(伊勢市古市町)「べんのや」(志摩市志摩町)、「カンパイ伊勢志摩」(志摩市阿児町)。

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