伊勢の出版社「月兎舎(げっとしゃ)」(伊勢市馬瀬町)が3月1日、季刊誌「NAGI(凪) No.84」春号を刊行した。
今号では、「中央構造線の峰々 まつさか香肌イレブンを歩く」と題して、関東から九州まで東西約1000キロにおよぶ活断層である中央構造線が通る櫛田川流域の11山を特集。同社スタッフが実際に登り、入門、中級、上級に分類し紹介する。
アプローチしやすく登山道が整備されていて初心者や子どもでも安心して登れる「入門」には、標高545メートルの「烏岳(からすだけ)」、同819メートルの「白猪山(しらいさん)」、同1029メートルの「局ヶ岳(つぼねがだけ)」、同1248メートルの「高見山」。アプローチが深く距離が長い「中級」には、同1066メートルの「栗ノ木岳」、同1235メートルの「三峰山(みうねさん)」、同1230メートルの「木梶山(きかじやま)」、同1402メートルの「桧塚(ひのきづか)」から同1432メートル「明神岳」を縦走、同1309メートルの「迷岳」、歩行時間が長く登山道もやや分かりにくい「上級」には、同1396メートルの「池木屋山(いけごややま)」を分類した。
同誌発行人の吉川和之さんは「松阪市が昨年から、香肌エリアの峰々から11山を選び『まつさか香肌イレブン』と名付けて整備・発信に乗り出した。飯高・飯南の山々は頂まで行くと満足度は高いが、登山口までが遠い、標識が少ないなどの理由からこれまで一部の人にしか知られていなかった」と話す。
吉川さんは「櫛田川の中上流域は香肌峡と呼ばれる風光明媚な県立自然公園。周囲は1000~1400メートル級の稜線に囲まれ、三峰山や栗ノ木岳の山腹では中央構造線の一部露頭を見ることができる。本誌が中央構造線の峰々に入るきっかけになれば」とも。
価格は720円。三重県内の書店などで販売している。