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多気郡多気町に大型商業リゾート施設「VISON」開業 海女小屋や松阪牛精肉販売店も

多気郡多気町に大型商業リゾート施設「VISON」開業 海女小屋や松阪牛精肉販売店も(撮影=加藤直人)

多気郡多気町に大型商業リゾート施設「VISON」開業 海女小屋や松阪牛精肉販売店も(撮影=加藤直人)

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 伊勢神宮内宮(ないくう)から車で20分の山の中、伊勢自動車道に直結する大型商業リゾート施設「VISON(ヴィソン)」(多気郡多気町)の第1期工事が完成し4月29日、飲食店や産直市場など18の施設がオープンする。

【その他の画像】多気町に大型商業リゾート施設「VISON」誕生

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 「VISON」は、東京ドーム24個分に相当する約119ヘクタールの敷地面積(開発面積=54ヘクタール)に、宿泊施設や温浴施設、飲食店、製造販売店、物販店、産直市場、農園など約68店を集めた大型商業リゾート施設。施設の開発・運営を「イオンタウン」(千葉県千葉市)、地域の自然資源を活用した健康施設を「ロート製薬」(大阪府大阪市)、食・リゾート分野を「アクアイグニス」(東京都中央区)、金融スキームを「ファーストブラザーズ」(東京都千代田区)が担当し、4社による合同会社「三重故郷創生プロジェクト」(東京都千代田区)を設立。4社のノウハウを集結し、三重県や多気町、三重大学と共に産学官連携でプロジェクトを進めている。29日には、全国初の民間施設直結のスマートインターチェンジ(上り線出口)が15時から開通する。

 第1期オープンでは、産直市場や飲食店が並ぶ「マルシェ ヴィソン」に15店舗、スイーツやパンを提供する「スイーツ ヴィレッジ」に2店舗、「アトリエ ヴィソン」に東海地方初出店となる「猿田彦珈琲(コーヒー)」の計18店が開業し、最終的に68店舗が集積する予定。

 第1期オープンで地元企業からは、3世代が今も現役で海女を続けることで話題を集める旅館「なか川」(鳥羽市相差町)が魚介類を焼いて提供する「海女小屋 なか川」、伊勢志摩産の鮮魚などを扱う「鈴木水産」(度会郡度会町)が生きアジの刺し身などを提供する「鈴木水産」とカキやスープを提供するカフェ「マーケテリア」の2店舗、地元多気町で松阪牛を飼育する「竹内牧場」(多気郡多気町)が同社初の小売業となる精肉店「若竹」、「わらしべ」ブランドで知られるたいやき店「わらしべ飯高駅前店」(松阪市飯高町)が「わのたいやき」を提供する「WARASHIBE たいやきわらしべ」などが出店する。

 施設全体では、売れ残った魚や野菜をレストランで再利用し食品ロスゼロ、生ごみ・食品かすを活用したバイオガス発電所による自立型電力の活用、自動運転バスなどモビリティー基盤の構築やキャッシュレス・地域通貨の導入などを活用した地域経済圏の構築、保護猫や犬のケアと里親マッチングなど、SDGsを意識した地域課題解決への取り組みを積極的に推進するという。

 同施設の運営会社「VISON多気」(多気郡多気町)と「アクアイグニス」の社長を兼務する立花哲也さんは「現在は約300人だが、グランドオープン時には約1000人の雇用を生み出す施設となる。三重県の林業を支えるため、建物は三重の木をふんだんに使用し、伊勢神宮の式年遷宮に倣い、20年に一度のサイクルで建造物の一部の木を張り替えるなど継続・成長していけるよう100年後も住み続けられる街づくりを目指す。年間1000万人が訪れるこのエリアを2000万人へと押し上げたい」と話す。

 「スイーツ ヴィレッジ」を担当するパティシエの辻口博啓さんは「みんなでVISONを盛り上げ、三重全体、日本全体を地方創生を含めて盛り上げることができれば」と意気込む。「マルシェ ヴィソン」を担当するパリの「レストラン パージュ」オーナーシェフの手島竜司さんは「『この地に本当のマルシェを落とし込みたい』と立花社長と辻口シェフから言っていただき、微力ながら僕にできることをさせていただいた。こんなに素晴らしい食材がそろうところは西の方にはないと思う。プロの人が仕入れに来るような、東の豊洲であれば、西の多気となるような場所になれば」と話す。

 温浴施設などが完成する第2期オープンは6月5日、宿泊施設など全施設が完成するグランドオープンは7月20日を予定。新型コロナウイルス感染症対策のため、三重県庁緊急警戒宣言に準じて、期間中は県内客に限定したオープンとなる。

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