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伊勢角屋麦酒25歳入社2年醸造1年の社員が「ビール界のオスカー」最高賞受賞

伊勢角屋麦酒、25歳入社2年醸造1年の社員が「ビール界のオスカー」金賞とトロフィーアワード受賞。下野工場で撮影に応じる山宮拓馬さん

伊勢角屋麦酒、25歳入社2年醸造1年の社員が「ビール界のオスカー」金賞とトロフィーアワード受賞。下野工場で撮影に応じる山宮拓馬さん

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 二軒茶屋餅角屋本店(伊勢市神久、TEL 0596-63-6515)が製造販売するクラフトビール「伊勢角屋麦酒(ビール)」が、11月18日発表のイギリスのクラフトビール国際大会「IBA(The International Brewing Awards)」2021年大会で金賞と銀賞、さらに金賞の中の最も優れたビールとして選ばれるトロフィーを受賞した。

【その他の画像】伊勢角屋麦酒25歳入社2年醸造1年の山宮拓馬さん

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 「イセカドビール」の名で親しまれている伊勢角屋麦酒は、「伊勢から世界へ」を合言葉に1997(平成9)年、21代目社長の鈴木成宗(なりひろ)さんが立ち上げたブランド。1886年から続く歴史があり「ビール界のオスカー」といわれるIBAは、2年に1度ビールとサイダーのコンペティションを開催する。伊勢角屋麦酒は、2017(平成29)年、2019(平成31)年に「ペールエール」で金賞を受賞。今回で3大会連続金賞を受賞した。現在鈴木さんやブルーマスター兼工場長の出口善一さんのほかに3人のブルワーがさらに高みを目指して研さんを積んでいる。

 2021年大会では、「脳がとろけるウルトラヘヴン 3xIPA(トリプルアイピーエー)」(スタイル=ウエストコースト・トリプルIPA、アルコール度数=10%、IBU苦味=88)がアルコール度数10%以上のストロングビール部門で金賞とトロフィーを、「キャラメルマキアート」(スタイル=アメリカンストロングエール・マシュマロ&コーヒー、アルコール度数=8%、IBU苦味=50)がアルコール度数7%~9.9%のストロングビール部門で銀賞を受賞。

 受賞した2種類のビールを醸造したのは、昨年4月に新卒で入社し、醸造を始めて1年未満の25歳の山宮拓馬さん。東京都練馬区出身の山宮さんは、麻布高校2年の時に起こった東日本大震災をきっかけに食料問題に関心を持ち、京都大学農学部に進学。同大学院農学研究科に進み、イネゲノムの研究を中心に生物学を学ぶ。大学生活中の20歳になった年、英クラフトビールメーカーのブリュードッグの「パンクIPA」を飲んだことからクラフトビールの世界に魅了され、大学院を卒業するまでに世界500種類以上のクラフトビールを飲んで独自のデータ分析を楽しんだり、ブルワーのトークイベントなどに積極的に参加したりしていたという。

 山宮さんは「日本のロックバンド『八十八ヶ所巡礼』などの音楽をよく聞いているが、パンクロック好きで偶然手に取った『パンクIPA』がきっかけで今、伊勢角屋麦酒のブルワーになっていることにはご縁を感じる。入社したばかりの僕にいろいろとチャレンジできる環境を与えてくれる鈴木社長には感謝している。受賞の知らせは、ただただ驚きと信じられない不思議な感覚」と話す。

 山宮さんは「『脳がとろけるウルトラヘヴン 3xIPA』は、ちょうど缶ビール工場の調整や12キロのタンクの設置などで忙しかった時に、米カリフォルニアのストーンブリューイングの12.5%のハイアルコールビール『Stone 25th Anniversary IPA』を飲んだ。一瞬だけ全てを忘れてリラックスできて癒やされたことから、『今日は飲むぞ』というときに楽しめるようなガツンとくるハイアルコールビールを作ろうと思った。ホップの隠れたポテンシャルを引き出す『バイオトランスフォーメーション』を生かす能力の高いアメリカンエールイーストを使用した。モザイク・シムコー・アマリロの3種をレイトホッピングし、いつもとは違ったホップの表情を表現した」と説明する。

 「クラフトビア・アソシエーション(日本地ビール協会)」(兵庫県西宮市)理事長の山本祐輔さんは「トロフィー受賞は、審査員のディスカッション無しの投票で決まるので、文句なしに多くの審査員から認められたビールといえる。2011(平成23)年の小西酒造(兵庫県伊丹市)以来の快挙。日本から遠く離れた英国での審査で輸送のハンディキャップをものともせず毎回受賞する実績だけでも素晴らしいことだが、ビール醸造の技術だけでなく、若いブルワーのチャレンジ精神やコロナ禍にも負けない伊勢角屋麦酒の前向きな姿勢が合わさって審査員の心を打つビールになったのだと思う。今後も日本のクラフトビール業界を代表する醸造所としてチャレンジしてほしい」と評価する。

 「山宮さんは、当会が主催するビールセミナーにも毎回参加し、すでに審査員の資格も昨年8月に取得済み。品質に関する知識や理論など相当勉強している努力家だと思う。醸造経験と醸造理論を熟知している人はあまりいないので、さらに磨きをかけて世界中から声が掛かる醸造家になってもらいたい」と期待を込める。

 「脳がとろけるウルトラヘヴン 3xIPA」「キャラメルマキアート」は現在、本店と下野工場に少量の在庫があるだけのため、増産を開始。年末から年始に販売できる態勢を取った。価格両ビール共に、330ミリリットル入り=759円。

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