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伊勢・明野高校生が育てた安納芋で「災害用備蓄パン」開発 地元企業と共同で

伊勢・明野高校生が育てた安納芋で「災害用備蓄パン」開発 地元企業と共同で

伊勢・明野高校生が育てた安納芋で「災害用備蓄パン」開発 地元企業と共同で

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 三重県立明野高校(伊勢市小俣町)生産科学科作物部門の3年生と和菓子店「藤屋窓月堂」(同市中之切町)と社会福祉法人「ベテスタ」(松阪市稲木町)が11月29日、連携して作った災害備蓄用パン缶詰「あんぱんかん」の完成発表会を同校会議室で行った。

【その他の画像】明野高校の生徒たちが作った「あんぱんかん」

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 農福連携で障がい者の雇用拡大と賃金向上を目指して昨年から取り組む「高校生×福祉応援プロジェクト」の一環。昨年、同校の先輩たちが立ち上げた同プロジェクトを継承しながら、原料の安納芋が冬期に腐敗した反省や、販路拡大・賞味期限などの課題を解消しながら取り組み、災害時でもおいしいパンを目指した。

 生徒たちは5月31日、安納芋の苗約500本を定植。11月5日に収穫し、同9日に安納芋30キロを滅菌処理、同12日に藤屋窓月堂であんの製造と整形作業を行った。HACCPの要求事項を含むJFS-B Ver.2.0適合工場を持ち、災害備蓄用パンを製造している同法人の就労継続支援B型事業所「ぱんカンぱん」(松阪市上川町)で11月15日、同校と同法人が作った安納芋をあんに使ったあんぱんを作り、災害備蓄用パンの缶詰2400缶を製造した。

 原料の保存をあんに加工した後に冷凍保管、販路拡大のため様々なイベントに出展しコロナ禍のためリモートによるPR活動や販売を実施。昨年製造した「あんぱんかん」の細菌検査の結果、ゼロであったことから賞味期限を5カ月から3年に延長して表示し、昨年の課題解決に向けて取り組んだ。

 生徒たちは「安納芋の収穫が大変だった」「農福連携の事業は高校生にはなかなかできないことなので、とてもいい経験になった」と話し、地域住民へ「いつ地震が発生するかわからないので1缶でいいので家庭に備蓄しておいてもらえれば」と呼び掛けた。

 同法人営業部門リーダーの関口信人さんは「災害備蓄用パンで安納芋のあんを入れたあんぱんを作ったのは初めて。とてもおいしくできあがった」とほほ笑む。

 生徒たちは12月8日にドンキホーテ上地店(伊勢市上地町)、同12日にぎゅーとらハイジー店(同市船江)で「あんぱんかん」の販売イベントを開く予定。

 価格は540円、明野高校購買部、ベテスタ、藤屋窓月堂、ヴィソン(多気郡多気町)、みよしや酒店(同市小俣町)で販売する。

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