「伊勢志摩凧(たこ)の会」(志摩市阿児町、TEL 090-3257-6952)が1月28日、志摩市国府(こう)の浜に隣接する駐車場広場でたこ揚げを行った。
国の天然記念物のトキやハクトウワシ、葛飾北斎の作品にも登場するトンビ、本物の羽をつけたクジャク、トンボやチョウ、恐竜のプテラノドン、今年のえとのトラなど飛ばない動物までもが大空に舞い上がった。「鳥凧」といわれる立体型のたこで、ほとんどが手作り。
同会会長の橋爪正司さんは「これまで100羽以上作っている。できるだけ本物に近づけるように、図鑑などを見ながら忠実にトリを描いていく。自分が作ったたこが空に舞い上がる時はとてもうれしい」とほほ笑む。
全国のたこ揚げ大会に参加し、「たこ友」も多いという橋爪さんは「10年前にたまたまイノシシ狩りに行った志摩の山の中にぽつんと家があり、その家主であった中村梁幸さんがたこ名人だったことから、たこ作りを習い、たこの魅力にはまり、毎年たこ揚げ大会をするようになった。本来なら子どもたちも一緒にたこ作りやたこ揚げをしているが、コロナ禍のため、今回は大人だけになった」と話す。
この日は、愛知県出身で中国の鳥凧「盤鷹(ぱんいん)たこ」の愛好家の佐々木英機さんや増田秀己さんらも参加。増田さんは「最初は普通のたこを作って揚げていたが、ある大会に出場した時風がなくどのたこも上がっていなかったのに、風がなくても飛んでいるたこがあり、作ってみたいと思ったのがきっかけ。グライダーのように羽のアスペクト比を考えながら作ったりしている。優しくないので飽きないで続けられるのかもしれない」と話す。
橋爪さんは「自分で作ってそのたこが飛んだ時の喜びは、たこに命が宿ったと思える。コロナが収束したら、また子どもたちに、作る喜び、飛ばす喜びを伝えていきたい。興味がある人は気軽に連絡いただければ」とも。