三重県内でクラフトビールを醸造する7社でつくる「三重クラフトビールの会」が2月17日、「伊勢角屋麦酒(ビール)」下野工場(伊勢市下野町)で交流会を開いた。
2017(平成29)年発足の同会は、三重県内のクラフトビールメーカー7社が連携し、ビールの醸造に関する勉強会や情報交換、懇親会などを通して三重県のクラフトビールの品質を高めようと取り組む。発起人は伊勢角屋麦酒社長の鈴木成宗さん。毎年1回交流会を行い、今回が4回目の開催となる。
この日は、「エール工房de伊賀」(伊賀市山出)、「長島ビール園」(桑名市長島町)、「伊勢角屋麦酒」3社の製造関係者と名古屋国税局課税第二部の職員らが参加。独立行政法人酒類総合研究所(東広島市)の広報・産業技術支援部門副部長の日下一尊さんによる「麦芽と精麦の基礎」についての勉強会と鈴木さんの講話の後、施設の見学会、クラフトビールのテイスティングなどを行った。
テイスティングには、3社と「火の谷ビール」(津市美杉町)のクラフトビール合わせて8銘柄と、外国産のクラフトビールを用意。外観と香り、コク、甘み、苦味、酸味、渋み、炭酸の8項目に加え、ビールのカビ臭や硫化水素、アセトアルデヒト、エステルなどクラフトビールのオフフレーバー17項目のテイスティングも行った。
日下さんは「前回のテイスティングよりも今回の方が品質が上がっているのに驚いている。伊勢角屋麦酒のIPAやエール系のクラフトビールは国内のクラフトビールのベンチマークとなっている。鈴木さんが呼び掛けた『三重クラフトビールの会』発足の意義は大きい」と話した。
「長島ビール園」の伊藤哲雄さんは「毎回刺激になっている。学ぶべきところが多く有意義」と話す。
鈴木さんは「海外と比べ日本ではビールの製造に関する書物などが少なく、情報が無いに等しい。地ビールといわれていた頃のビールは品質がよくなかったので、業界全体のイメージがダウンしかけていた。それぞれのメーカーが自社商品の品質を向上させていくことが大切」と力を込めた。