陸上自衛隊航空学校・明野駐屯地(伊勢市小俣町)で7月13日、最新型ヘリコプター「UH-2(コールサイン=ハヤブサ)」の訓練開始式が行われた。
【その他の画像】UH-2は4枚のブレード、2基のエンジンが新しく
「UH-2」は、民間向け最新型ヘリコプター「SUBARU BELL412EPX」をベースに開発された多用途ヘリコプターで、「UH-1J(同=ハンター)」の後継機。「UH-1J」と比べて、ブレード(羽)が2枚から4枚に増え、エンジンも1基から2基に増えた。同駐屯地広報担当者によると、機動性や操縦性、生存性、搭載性などが向上し、最大速度も約100ノット(時速約200キロ)から約130ノット(時速約260キロ)にスピードアップしたという。コックピットの計器類や操作レバーは電子パネルに変わり、統合グラスコックピットを搭載。自動操縦装置も備える。
「UH-2」は2019(平成31)年2月、同駐屯地にあるヘリコプターの試験飛行などを行う部隊・飛行実験隊に「UH-X」として試作機(45151号機)が納入され、試験を経て開発。今年6月30日、陸上自衛隊向けの仕様に変えた量産初号機(45152号機)が、SUBARU航空宇宙カンパニー宇都宮製作所(栃木県宇都宮市)から陸上自衛隊に引き渡され7月、全国に先駆け、航空学校に納入された。今後150機程度が陸上自衛隊に導入される予定。
訓練開始式には、航空学校の教官ら約200人が集まり、航空学校整備部第4整備班長の高橋宏彰1等陸尉が機体紹介、学校長の安井寛陸将補が、同ヘリの整備責任者として宮内康宏2等陸曹を機付長として任命。第2教育部長の土子邦之1等陸佐から訓練開始の報告が行われた。航空安全と書かれたダルマの目入れ式もあり安全祈願を行った。
安井陸将補は「陸上自衛隊航空科部隊は即応機動の要となり、国内外のあらゆる不測事態への即応体制を堅持しつつ、さらに強化される空中機動力、南西事態対処や各種災害派遣をはじめとする任務を遂行することが求められる。UH-2は陸上自衛隊の次期主力機で空中機動、航空輸送、災害時における人命救助、住民避難、空中消火などに使われる航空機となる。わが国の平和と安定、国民の安全・安心に必ず寄与すると確信する」と話す。
「今後、航空学校で教官や技術者の養成、教育体制の整備、教育計画の具体化などを早急に進め、操縦・整備教育を行い、基幹要員を育成していく。UH-2のコールサイン『ハヤブサ』。帝国陸軍一式戦闘機、昭和の『隼』から名前の一部を引き継いだ令和の『ハヤブサ』の活躍に期待してほしい」とも。