「鳥羽国際ホテル」(鳥羽市鳥羽)で総料理長を務めた道清民明さんが店主の飲食店「いっぷく亭」(南伊勢町迫間浦)が営業を再開して3カ月がたった。
マダイ養殖盛んな迫間浦の入り口にある同店は、道清さんの父・庄一さんが1974(昭和49)年ごろから「一福亭」の店名で営業していた飲食店で地元民や釣り客に人気だった。2004(平成16)年に庄一さんの他界をきっかけに一時閉店したが、2021年11月4日、道清さんが新たに店名をひらがなまじりの「いっぷく亭」に変えて再出発。その後、コロナ禍のため昨年8月と今年1月に一時休業したが、2月に営業を再開した。
1951(昭和26)年、南伊勢町(旧南勢町)で生まれた道清さんは、南海中学校、南勢高校(共に廃校)を卒業し、18歳で当時ヤマハグループだった「鳥羽国際ホテル」の料理人として入社。1981(昭和56)年からは同グループの「はいむるぶし」(沖縄県)、「つま恋」(静岡県)、「合歓の郷」(志摩市)で料理長を務め、1991(平成3)年から「葛城北の丸」(静岡県)、2005(平成17)年から「鳥羽国際ホテル」でそれぞれ総料理長を歴任。定年退職後も同グループの料理顧問に就き、2017(平成29)年3月30日に退職した。
南伊勢町産のマダイを使ったメニューは、「鯛と真珠貝のタイ風カレー」(1,400円)、「鯛の刺身定食」(1,800円)、「鯛の塩焼き定食」(1,500円)、「鯛と野菜のフライ定食」(1,400円)、「鯛の刺身サラダ」(1,300円)。そのほかブランド豚「志摩あおさ豚」を使った「ポークカレー」(1,200円)、「とんかつ定食」(1,500円)などを提供する。
道清さんは「18歳で地元を離れてからずっとよそで働いていたので地元に帰ってくることができなかった。退職し、父が残してくれた店で地域に貢献できればとの思いで開業した。南伊勢町産のマダイの魅力を料理で伝えることができれば」と話す。
「鳥羽国際ホテルの看板メニューでもあるタイカレーやチーズケーキを自分なりにアレンジし、オリジナルレシピで仕上げて提供している。バイカーなどのお客さまが口コミで広げてくれているのでありがたい。無理せず自分のペースで運営していきたいと思うので、1週間に3日間だけの営業になるが、若い女性に来てもらえるような食堂になれば」とも。
営業時間は11時~15時。日曜~水曜定休。