伊勢工業高校(伊勢市神久)の部活動「建築研究部」がこれまで製作した建築模型39点・図面60点が現在、「三重総合博物館(MieMu)」(津市)2階交流展示室に展示されている。
【その他の画像】伊勢工業高等学校建築研究部の生徒たち製作の建築模型
同展示は、昭和から現代までの暮らしのさまざまな場面で使われる道具を集めた同館主催のイベント「トピック展 くらしの道具」に合わせて、同校生たちが「建築研究部」活動を始めた2011(平成23)年から製作した、地域のまちづくりに関わった際に作った建築模型や建築コンテストに応募し入賞した建築模型・建築図面などを「ものづくり」の視点で捉え直し展示する。
伊勢市立小俣図書館(伊勢市小俣町)の25周年記念に伊勢市に依頼され作った建築模型や廊下だけで構成されているギャラリー兼ショップの建築模型、2010(平成22)年8月7日の火災で全焼した、江戸時代末期に建てられた「立神薬師堂」(志摩市阿児町)を解体前に実測調査し図面化し模型で再現したものなどが並ぶ。
同部員の丹羽玲央菜さんは父親が松阪市で漁業を営む家庭に育ち、(風が強く波が高いので)晴天の日に家にいる父の姿から着想を得て「海辺の暮らし」をテーマに漁港をデザイン。「漁に出ることができない日に、地域の子どもたちに漁業について学ぶことができる施設を考えた。漁師が先生になれる場所を建築模型に落とし込んだ」と説明する。
大山朔さんは「雨が降り続く世界での建築物」というテーマのコンテストに応募し、最優秀賞を受賞。大山さんは「日本神話『天の岩戸』伝説をモチーフに『雨の岩戸』とタイトルを付けストーリー化し提案。雨でも腐敗しない石の建造物で、軽くて軟らかいので加工がしやすく、耐火性、防湿性に優れた栃木県産の大谷石を建材に使うことを考えて模型を作った」と話す。
土曜・日曜の休日は生徒たちが説明を行うが、授業のある平日は担当者不在となるため、「サイバーウェイブジャパン」(伊勢市神田久志本町)と「菱友システムズ」(東京都港区)の技術協力を得てAR(拡張現実)技術と動画による解説で展示物を補足する。丹羽さんは「平日はスマホでQRコードを読み取ってもらい、作品に対する私たちの思いに触れてほしい」とも。
開館時間は9時~17時。月曜休館。入館無料(「トピック展 くらしの道具」は一般=520円、学生=310円、高校生以下無料)。2月4日まで。