志摩市に本校を置く広域通信制高校「代々木高校」(志摩市磯部町)のアスリートゴルフコース出身・笹生優花(さそう・ゆうか)さんが6月2日(現地時間)、「全米女子オープン」で2021年大会以来、2度目の優勝を果たした。
ランカスターCC(米ペンシルベニア州、パー70)で行われた同大会。笹生さんは4日間を通算4アンダー(初日68、2日目71、3日目69、最終日68、計276)で回り、準優勝となった1アンダーの渋野日向子さんと共に日本勢ワンツーフィニッシュを飾った。
日本人の父とフィリピン人の母の間に生まれた笹生さんは3年間、同校に在籍し、スクーリング出席のため志摩市内に宿泊し、「賢島カンツリークラブ」(阿児町)で練習を積み重ねた。2018(平成30)年8月にインドネシア・ジャカルタで開催された「第18回アジア競技大会」ゴルフ競技で、高校2年生でフィリピン代表選手として出場し個人優勝、フィリピンチームにも金メダルをもたらした。プロ転向した2020年に2勝を挙げ、2021年に開かれた東京五輪ではフィリピン代表選手として活躍した。
同校ゴルフ部顧問の山中辰男さんは「笹生の1回目の優勝は勢いで勝った感じだったが、今回の優勝は3年間の経験の下、確固たる実力での栄冠だったと思う。代々木高校ゴルフ部の後輩たちにも世界で活躍する先輩たちを目標に、上を目指して頑張ることの大切さを伝えたい」と話す。
同校のアスリートゴルフコースは、ジュニアゴルファーの理想の育成環境を目指して2010(平成22)年4月に創設。同コースの生徒は、全米女子ゴルフトーナメント「ミズノクラシック」などが開かれた「賢島カンツリークラブ」で毎年強化合宿を行っている。今年3月に開かれた全国高校ゴルフ選手権春季大会で1年の外岩戸晟士さんが男子個人で優勝を果たした。現在の部員数は16人。
同校卒業のプロゴルファーは笹生さんのほか、全米女子アマチュアゴルフ選手権で優勝し、昨年12月に高校3年生でプロに転向、今年卒業し、現在、米国下部ツアーで来季ツアー出場権獲得に向けて奮闘中の馬場咲希さん、高校3年時にアジア大会で個人・団体優勝、男子アマチュア世界ランキング1位に輝き、一昨年プロ転向、昨年国内大会3勝、賞金ランキング1位に輝き今年、欧州ツアーに参戦、3月に同ツアー初優勝した中島啓太さん、中日クラウンズ2024でキャリアハイ3位タイとなった篠優希さんを輩出する。男子1年現役の香川友さんは15歳7カ月の最年少でプロ転向したまま同校に入学している。
山中さんは「日本国籍を取得した笹生は、今回の優勝で世界ランキング6位に浮上し、現在、日本人1番に。中島は松山英樹さんに次いで日本人2番目で、2人は今のところオリンピック出場選考基準をクリアしている。オリンピック選手としても期待している。代々木高校卒業生の2人が共に日本代表選手に選ばれパリオリンピックに出場し、アジア大会の時のように2人が優勝し、金メダル取ることができれば最高。オリンピックの金メダルも見てみたい」とも。