山村乳業(伊勢市大世古)が伊勢神宮内宮前で運営する「山村みるくがっこう 内宮(ないくう)前店」(宇治今在家町)で8月1日、駐日ジョージア大使のティムラズ・レジャバさんが一日店長を、元大関の栃ノ心さんが一日料理長を、それぞれ務めた。
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1919(大正8)年創業の同社は、三重県産の生乳を85度の低温で15分間殺菌(パスチャライズ殺菌)した牛乳をメインに製造・販売する。「山村みるくがっこう」は伊勢神宮の内宮と外宮(げくう)前にそれぞれ店を構え、自社製造の牛乳を使ったソフトクリームやプリンなどを販売している。
同社は、ジョージアに関連する商品「山村ジョージアヨーグルトソフト」と「山村ジョージアフローズンヨーグルト」の発売に合わせて、レジャバ大使と栃ノ心さんに協力を要請し実現。2人が「山村みるくがっこう」の帽子とエプロン姿で店頭に立つと、レジャバ大使は商品の受け渡しや店から出て直接客に新商品のアピールを、栃ノ心さんは瓶にソフトクリームを載せる作業を、それぞれ行った。
「山村ジョージアヨーグルトソフト」は、ジョージアの「マリアミ乳酸菌」を使って作る山村ジョージアヨーグルトをソフトクリームにした商品。「山村みるくがっこう」で販売する。ジョージアの伝統菓子(蜂蜜とクルミで作った新年に食べる祝い菓子「ゴジナキ」)をイメージし、蜂蜜とクルミを瓶容器の底に入れたもの(520円)と蜂蜜とクルミが入っていないプレーン(430円)を発売。蜂蜜は、栃ノ心さんが経営する会社「Royal Georgia」で取り扱うジョージア産天然蜂蜜「Tochinoshin Honey/LINDEN(栃ノ心ハニー(リンデン)」(500グラム、9,000円)を使用。「山村ジョージアフローズンヨーグルト」は「山村ジョージアヨーグルト」を凍らせ容器に入れたもの(100ミリリットル)で、価格は、6個入り=2,290円、12個入り=4,060円。通販で扱う。
同社の山村卓也さんは「新商品開発の経緯は、長寿を研究するシモン・ダラキシビリ博士と共同開発し、ジョージアのマリアミ乳酸菌を使った『山村グルジアヨーグルト』を2005(平成17)年に『愛・地球博(愛知万博)』に出品したこと。『グルジア』は『ジョージア』の旧名で、2015(平成27)年に国名呼称変更の法律が変わったが、そのまま『山村グルジアヨーグルト』として販売を続けていたが、そのことがSNS上で話題になり、大使に知ってもらう機会になった。これを受けて商品名を『山村ジョージアヨーグルト』に変更し、その1年後、大使に新たなジョージアを冠した商品を開発することを報告し、試食会を経て完成させた。今年6月に開催された『第2回ジョージアフェスティバル』で、栃ノ心さんとの縁を頂き、蜂蜜を使うことにもなった」と説明する。
栃ノ心さんは「毎年4月に巡業で伊勢を訪れていたので、懐かしい。最後に伊勢に来たのは5年前の2019(平成31)年。山村ジョージアヨーグルトは子どもの頃に食べた味と全く同じ。100%の牛乳から作られたソフトクリームにクルミとジョージアの天然の蜂蜜が入っており、とてもバランスがいい。おいしかったと言ってもらえたことがとてもうれしい。初めて来日した頃には、まだジョージアの大使館もなかったが、少しずつジョージアのことを知ってもらえるようになった。大使と共にジョージアの魅力をアピールしていきたい」と話す。
レジャバ大使は「山村ジョージアヨーグルトソフトはさっぱりとして今日のような暑い日には、涼しさと幸せを感じられる商品。自分は日本国内の大使の中でも最年少なので行動力では誰にも負けない。人生で初めて一日店長を経験し、企業とコラボすることができ、直接お客さまから反応が聞けて良かった。今後の外交官としての活動にも生かせると思う。『食を通じての外交』は、人同士の交流につながるし、国のことをよく知ってもらえる有効的な手段だと感じた。互いの文化を認め合うことが戦争のない平和につながっていくのだと思う。ジョージアは長寿の国でもあり、健康を意識する文化的な国でもある。今日はそれを伝えるためにも有意義な取り組みになった」と振り返る。
栃ノ心さんは「大関になれたのは間違いなく、ジョージアヨーグルトとジョージア産の蜂蜜を子どもの頃から食べてきたおかげ。ぜひ伊勢に来たら食べてほしい」とも。