「今まで『東京納豆』に親しんでくれていたお客様からの励ましと、再開してほしいという熱望に勇気づけられ再度納豆を作ろうと思った」と話すのは、伊勢志摩地域でなじみの納豆ブランド「東京納豆」を生産する奥野食品(松阪市大黒田町)の奥野敦哉社長。
「東京納豆」(3パック入り138円)は、奥野社長の祖母が1950年に創業したブランド。国産大豆のみを使用した納豆で化学調味料・保存料無添加のタレを付け販売。一方で、三重県産大豆のみを使用した「三重の地納豆」ブランドでは、宮川ナチュラルウオーター「森の番人」仕込みの「自然水納豆 森の番人」、伊勢ひじきと一緒に発酵した磯の香りのする「伊勢ひじき納豆」、日本有数のモロヘイヤ産地=松阪のモロヘイヤと一緒に発酵した「松阪モロヘイヤ納豆」(各242円)など三重県各地の特産品と合わせた納豆や、納豆発酵時に石笛(いわぶえ)の音色を聞かせまろやかに仕上げた「伊勢納豆 石笛」(2パック入り166円)などを販売する。すべての納豆に赤塚植物園(津市)開発の「FFCテクノロジー元始活性水」を使用しているという。
「昨年4月4日、工場が火災で全焼し、すべてを失い廃業も考えた」と当時を振り返る奥野社長。その後再起を目指し奮闘、工場を建て直し今年1月1日、従来の納豆を生産し出荷できるようになった。さらに3月29日には納豆の量り売りをする小売店、工場見学・納豆作り体験教室、レストラン「工場レストラン健食たぬみせ」を工場の2階にオープン、5月1日にはホームページも復旧した。
同レストランは、8時~11時に朝がゆ(500円)とモーニングカレー(同)を、11時~14時にランチバイキング(大人=1,200円、シルバー=1,000円、子ども=600円)、14時~17時にカフェセット(600円)を用意し、作りたての「東京納豆」「三重の地納豆」がフルタイムで食べ放題になっている。ランチバイキングは納豆料理、冷菜、和え物、焼き物など日替りメニューのほか、相可高校食物調理科の生徒考案のオリジナルレシピメニューを週単位で2品、合計10~15種類の料理を準備する。席数は7卓24席。
奥野社長は「食の安心・安全を第一優先に考え、原材料にこだわり、現在は100%国産大豆を使用、基本的には地産地消で三重県産のものをできるだけ使うようにしている。火事で販売できなかった時に多くの人から『東京納豆』を食べたいと切望され、これほどまでに生活に密着したものを作っていたのか――と直接お客様の声を聞き、感謝の気持ちと同時に改心した。レストランはそうしたお客様と直接対話できる場として原点に返る思いでオープンした。今後さらに信頼されるブランドになれるように頑張りたい」と意欲をみせる。
レストランの営業時間は8時~17時。水曜定休。
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