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伊勢の芸術家兄弟の展覧会まもなく終了-次の開催は東京・世田谷美術館

三重県立美術館で開催中の「異色の芸術家兄弟 橋本平八と北園克衛展」まもなく終了-次の開催は東京・世田谷美術館

三重県立美術館で開催中の「異色の芸術家兄弟 橋本平八と北園克衛展」まもなく終了-次の開催は東京・世田谷美術館

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 三重県立美術館(津市大谷町、TEL 059-227-2100)で開催中の、伊勢出身の芸術家兄弟、彫刻家の橋本平八(1897-1935)と詩人の北園克衛(1902-1978)の展覧会がまもなく終了する。10月11日まで。

橋本平八の作品は誰もが足を止める。三重県立美術館「異色の芸術家兄弟 橋本平八と北園克衛展」。

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 8月に2人を特集した雑誌「伊勢人」臨時号を出版した伊勢文化舎(神田久志本町)代表の中村賢一さんは「世界的に有名な彫刻家で国立劇場の『鏡獅子』を作った『平櫛田中(ひらぐしでんちゅう)』と橋本は交友があった。橋本の死を誰よりも惜しみ、田中翁が橋本の代表作を買い保存していてくれたおかげで今日このように作品にふれることができる。朝熊岳(あさまだけ)山頂にある橋本の顕彰碑の建立にも尽力し、除幕式には伊勢の地まで足を運んでいる。一方、北園の作品は海外で高く評価されている。日本では特に広告業界からの注目は今も熱い。広告業界の人も多く訪れる東京での展覧会は、より注目されるのでは」とコメントを寄せる。

 2人は、標高555メートルの朝熊岳のふもとにある伊勢市朝熊町(旧度会郡四郷村大字朝熊)出身。橋本は15歳のころミレーやゴッホの作品に触れ、ロダンの彫刻から刺激を受け彫刻家を目指す。生涯で300点余りの作品を残し、39歳で永眠。北園の本名は橋本健吉。当初は新聞記者を目指し18歳で上京するが、21歳で詩を発表し26歳で「日本におけるシュルレアリズムの宣言」を仲間と共同執筆、北園克衛のペンネームを使い詩人・前衛アーティストに。75歳で病没するまでに、詩集24冊、評論集5冊、訳詩集3冊、短編小説集1冊を残す。

 同館の毛利伊知郎副館長は「橋本の作品は個人所蔵が多いので、一堂に見ることができるのは今だけかもしれない。地元であまり知られていないのが非常に残念。三重県の人はもっと誇りにすべき」と話す。

 中村さんは「2人の作品はオリジナリティー豊かで、とても洗練されていて、おしゃれ。特に北園の作品は広告やファッション業界の人に見てほしい。2人の共通点が何となく朝熊にある気がする」と感想を残す。

 開館時間は9時30分~17時。月曜休館。入館料は、一般=900円、高大生=700円、小中生=400円。その後、東京・世田谷美術館で巡回展示(10月23日~12月12日)を行う。

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