伊勢湾の湾口の真ん中に位置し、三島由紀夫の「潮騒」の舞台となった鳥羽市の「神島」と今年最初の「満月(スーパームーン)」が1月2日、伊勢志摩で最も高い標高555メートルの朝熊山(あさまやま)展望台から観測できた。
三島由紀夫の「潮騒」の舞台となり吉永小百合さんや山口百恵さんらの主演による映画が数多く撮影された神島。その神島の右上空から満月が顔を出した。
朝熊山は標高555メートル。「朝熊」はアイヌ語で「日が出てキラキラと光り輝く神」「太陽」を意味する言葉。山頂付近には金剛證寺がある。金剛證寺は、平安時代に弘法大師空海が真言密教修行の大道場を開き隆盛を極めた。伊勢音頭の一節には「お伊勢参らば朝熊をかけよ、朝熊かけねば片参り」と詠われている。
この日の山頂付近の天気は晴れ、風が強く雲の流れも早かったが山頂の月の出時刻の17時11分ごろには満月の輪郭が現れた。月明かりは鳥羽市の離島=答志島と菅島の間からゆっくりと高度を上げ、やがて伊勢湾全体を照らしてた。
朝熊山山頂まで行くには観光有料道路「伊勢志摩スカイライン」通行料金が必要。自動二輪車=880円、軽・小型・普通自動車=1,250円。開門時間は1月2日~15日 6時~19時、5月~8月は6時~20時。