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地域主役型映画集めた「賢島映画祭」 GPは「オーバーナイトウォーク」

地域主役型映画集めた「賢島映画祭」 GPは「オーバーナイトウォーク」

地域主役型映画集めた「賢島映画祭」 GPは「オーバーナイトウォーク」

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 「地域」に光を当てた映画作品を世界中から集めた映画祭「賢島映画祭」が9月2日、「賢島宝生苑(ほうじょうえん)」(志摩市阿児町神明)コンベンションホール「華陽の間」で開催され、グランプリに磯部鉄平監督の「オーバーナイトウォーク」が選ばれた。

【その他の画像】第4回賢島映画祭

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 映画を通して地域を見直し地域を元気にしていこうと取り組む「志摩ムービークルーズ」(大王町船越)が主催する同イベントは今年で4回目。応募作品は30作を超えた。

 出品作品は、「主役クラスのキャストが最低1人その地域の人であること」「本編が30分以上であること」などの応募条件を設け、映画としての技術的完成度よりも撮影した地域の人々の特色を魅力的に伝えられたかという観点で評価する。地域復興の原動力となると認めた最優秀作品に「グランプリ賞」、優秀作品に「準グランプリ賞」、そのほか作品に対して「特別賞」、個人賞として「主演男優賞」「主演女優賞」「助演男優賞」「助演女優賞」を決定する。

 審査委員は、映画「沈まぬ太陽」「バッテリー」などをプロデュースする岡田和則さん、文化庁芸術祭優秀賞やATP賞などを受けたNHKドラマ「洞窟おじさん」の脚本などを手掛ける伊勢市出身の脚本家・児島秀樹さん、セドナとモナコの国際映画祭でグランプリを受賞した映画「純愛」などを撮る秋田県出身の撮影監督・舘岡悟さん、アニメ「ジャングル大帝」「リトルマーメイド」などを手掛ける埼玉県出身の演出家・監督・脚本家・音響監督・宇井孝司さん、NHKテレビ小説「ちゅらさん」などの音楽を手掛ける東京都出身の作曲家・丸山和範さん、志摩ムービークルーズ会長の橋爪吉生さん、特別ゲストに映画「校歌の卒業式」「60歳のラブレター」などに出演する神奈川県出身の女優・金澤美穂さん、「海賊とよばれた男」「スクール・オブ・ナーシング」「キボウノトビラ~校歌の卒業式」などの映画に出演する伊勢市出身の女優・桐島ココさん。

 この日は朝9時から18時まで、あらかじめ選考された6作品を上映し、審査の結果以下の賞が決まった。

 グランプリ=故郷を捨て女優を目指し東京で暮らす妹と、故郷を離れなかった姉の会話を東京の下北沢から新宿まで歩くという設定でそれぞれの姉妹の思いを描いた「オーバーナイトウォーク」(磯部鉄平監督)、準グランプリ=「恋する」(上西雄大監督)、「センターライン」(下向拓生監督)、特別賞=「ネクタイを締めた百姓一揆」(河野ジベ太監督)、主演男優賞=上西雄大さん(恋する)、主演女優賞=高田怜子さん(オーバーナイトウォーク)、助演男優賞=上田弘治さん(恋する)、助演女優賞=屋敷絋子さん(オーバーナイトウォーク)。

 グランプリを受賞した磯部監督は「昨年出品した『海へ行くつもりじゃなかった』では主役が主演男優賞をいただき、今年は作品がグランプリをいただきとてもうれしい。賢島にはいい思い出しかない。昨年審査員の方々にアドバイスをいただいたことがとてもうれしく勉強になった。来年も出品したい」と話す。

 岡田さんは「今回初めて審査員として参加させていただいたが、作品のクオリティーの高さに加えて、会場の素晴らしいこと、観客が多いことにも驚いた。グランプリを受賞した作品は東京を描きながら下北沢から新宿までの東京の地方色を出し、東京に住んでいるものにも興味が湧いた。姉妹の会話を通して描くという作品でその2人が主演と助演の女優賞を受賞。総評としては、盛り込み過ぎて焦点がボケてしまったものが多く、もう少し人物像を描いて焦点を絞っても良かったと思う」と評価する。

 橋爪会長は「『地域主役型映画』というカテゴリーが年々認知されてきているように思う。応募作品のクオリティーもどんどん高くなってきているので審査する側も厳しくなるがとても楽しみ」と話す。

 鈴木英敬三重県知事は「カンヌ映画祭で有名なカンヌは地形や気候、人口規模が志摩市とよく似ているので、賢島映画祭10周年ごろには、志摩市とカンヌ市と姉妹提携していただいて、さらに発展させてほしい」と期待を寄せる。

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