伊勢市出身の4輪レーサー三宅淳詞(あつし)選手(#5、HFDP/SRS/コチラレーシング)が4月14日、岡山国際サーキット(岡山県美作市、1周3.703キロ)で開催された「2019FIA-F4選手権」第2戦を、初優勝で飾った。
世界自動車連盟(FIA)が世界最高峰「F1」の下位カテゴリー「F3」につながる新たなエントリーフォーミュラカテゴリーとして創設した「F4」に、三宅選手は今シーズンからチーム「HONDAフォーミュラ・ドリーム・プロジェクト」に所属し初参戦している。
今年3月で20歳になったばかりの三宅選手は、3歳の時に父親とスーパーGTのレースを観戦したことがきっかけで、その年からカートレースに出場。小学5年で全日本カート選手権日本一に。伊勢市立北浜小学校・北浜中学校(現・桜丘中学校)(伊勢市東大淀町)、伊勢学園(同黒瀬町)を卒業し、昨年「Super-FJ」でシリーズチャンピオンになった。
4月13日・14日の2日間で行われた同レース。13日の第1戦決勝レースでは3番グリッドからのスタートで初参戦初優勝も狙える位置につけ上位争いを繰り広げたが、4周目のアトウッドカーブで2番手を争った太田格之進(#6、SRS/コチラレーシング)選手と接触、危険なドライブ行為としてドライブスルーペナルティーを科せられ順位を落とし、15周を24分07秒575で31台中14位の結果に。
14日の第2戦も同じく3番グリッドからスタートだったが、太田選手がスタート手順違反で最後尾スタートになったため三宅選手は事実上2番手からのスタートに。4周目から8周目までセーフティーカーが導入され、順位変わらず9周目からのリスタートで1番を狙おうとしていたところ、1番の佐藤蓮(#7、SRS/コチラレーシング)選手にスタート違反が判明しドライブスルーペナルティーが科せられ離脱することになり、三宅選手はそのまま1番をキープし、14周を25分52秒097でフィニッシュ、初優勝、25ポイントを獲得した。
三宅選手は「1戦目は前の選手のスピードが落ちたので抜こうとしたが、僕自身が焦ってしまい接触してペナルティーを科せられてしまった。チームの雰囲気も悪くなるし、チャンピオンシップを考えてもかなりもったいないことをしてしまった。とても反省しないといけないと思った。2戦目は1戦目の反省を踏まえ落ち着いて挑んだ。運もよく前の選手がいなくなったので勝てたが、次戦の富士は実力で勝てるように頑張りたい」とコメントを残す。
第1戦の優勝=佐藤蓮選手、タイム=23分31秒835(ポール・トゥ・ウィン)。2位=野中誠太(#36、FTRSスカラシップF4)選手、タイム=23分32秒778、3位=菅波冬悟(#60、0TG DL Fl10)選手、タイム=23分36秒838。第2戦2位=菅波冬悟選手、タイム=25分52秒734、3位=野中誠太選手、タイム=25分53秒296。
「FIA-F4」とは、2015年から人気レースSUPER GTの国内大会に帯同する形で全国各地のサーキットを舞台に全7大会(1大会2レース制)14戦が行われている。日本のFIA-F4選手権には、シャシー=童夢製「F110」、エンジン=トムス製「TZR42」、ギヤボックス=戸田レーシング製「6速シーケンシャル・パドルシフト」、タイヤ=ダンロップ製など、国内企業の製品を採用し参戦コストを抑えつつ、高い次元のイコールコンディションとクオリティーで、若手ドライバーたちの技術と経験値の向上をバックアップ。「モータースポーツの甲子園」とも呼ばれている。