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「賢島大学」白血病で余命3カ月の西井一浩さん 2度「三途の川」見て復活

「賢島大学」白血病で余命3カ月の西井一浩さん 2度「三途の川」見て復活

「賢島大学」白血病で余命3カ月の西井一浩さん 2度「三途の川」見て復活

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 「賢島大学」(志摩市阿児町、事務局=代々木高校)の第3回公開講座「今を生きる。生かされていることに感謝~22歳で白血病と宣告されて~」が7月19日、代々木高校1階ホールで行われた。講師は、ワァークスジャパン(伊勢市本町)社長・元伊勢志摩倫理法人会会長の西井一浩さん。

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 人材派遣業、人材紹介業、障がい者福祉事業などを経営する現在53歳の西井さん。1988(昭和63)年6月22歳の時、当時100万人に5人の割合で発症していた白血病の一種「再生不良性貧血」と診断され、余命3カ月と宣告を受ける。その後冷凍血液を輸血し同年12月に生死をさまよい、その時C型肝炎に感染。1991(平成3)年7月に自宅が火事で全焼し48歳だった母を亡くす。その後も2011(平成23)年2月に大動脈解離を発症し、人生2度目の「三途の川」の淵を見る。

 奇跡的に回復し「生きること」について考え、1991年に起業。1997(平成9)年同社を設立し、代々木高校(志摩市阿児町)が運営する放課後等デイサービス事業「よよこークラブ」、子どもたちの将来を考え就労移行支援施設「キャリアサポート伊勢」、就労継続支援B型作業所「あらいぐま」、日中一時支援「よよこープラス」などを開設。

 西井さんは「入院していた時、1年間で約90人の人が亡くなっていった。4日に1人のペース。朝6時まで同じ病気の仲間と一緒に朝6時まで話していることが多かったが、それは朝起きないで亡くなていくことが怖かったから」と当時を振り返る。

 「最後の望みで治験薬を飲んで試したところそれが効き、こうして今も生き続けることができている(その後その薬は認証される)。生かされているということを深く考え、あの時亡くなっていった仲間たちの分まで、後悔しないで人生を送ろうと決意し、思ったら行動するようにして今日までやってきた。再生不良性貧血にならなかったら、自宅が火事にならなかったら、大動脈解離にならなかったら…。全て繋がっていて全てに意味が有ることを知った。そして、障がいを持った人たちが『社会貢献』できる環境づくりのお手伝いができれば」と話す。

 コミュニティー大学の「賢島大学」は、いつでも誰でも入学できる大学として2007年6月に開校。開校14年目。広域通信制高校の「代々木高校」が取り組む「伊勢志摩元気プロジェクト」の一環としてスタートし毎年さまざまな講座を開き、伊勢志摩を元気にするために活動を行っている。

 9月26日「南伊勢町田曽岬沖『唐船漂流事情』(郷土史研究家、マサヤ社長の田岡正廣さん)、10月25日「御食つ国 鰹節(かつおぶし) 日本食文化の源流を世界に」(まるてん社長天白幸明さん)、11月21日「志摩の音楽祭 コーラスに夢を託して」(音楽家・志摩コーラス代表の坂本研太さん)、12月23日「元気プロジェクトが動かす明日の志摩(年度末のまとめフォーラム)」。講座開催時間は19時~21時。入学を随時受け付けている。年会費は3,000円、講座だけの受講料は1講座500円。

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