伊勢志摩国立公園の中央に浮かぶ有人島・賢島を拠点に全国から生徒を受け入れる通信制の代々木高校賢島本校(志摩市阿児町)の生徒が6月9日、太平洋に面した海岸で磯の観察会を行った。
毎年4回の特別活動の授業で、伊勢志摩の自然に触れる体験授業を行っている同校。この日は、三重県内の生徒11人が参加し、山歩き、浜歩きをしながら志摩市大王町の米子浜を目指した。
米子浜までは歩いて20分ほど。車では行くことができないため、地元住民でもほとんどの人が未だ行ったことがない「秘境」。浸食によって削られ穴が空いた大きな岩や、ろうそくのように細く長く立つ岩、海の向こうには、大王埼灯台も見ることができる。
この日は、環境省のレンジャー3人の協力で、磯やタイドプールの中の生き物を観察した。
生徒たちは、ウニやサザエ、カニ、ウミウシなどを捕り、スマホで撮影したり、触って確認したりしながら、伊勢志摩の自然に触れ合った。中には全長1メートルほどの生きたウツボを見つけ3人がかりで捕獲しようと懸命に格闘するも逃げられたほか、そのウツボの近くには獰猛なウミヘビの死がいも見つけた。
生徒たちは、捕獲した生き物の写真などを照らし合わせて、生き物の正式名称や生態について詳しく調べ、後日まとめて各自発表する予定。野外活動だったが、できるだけ3密を避け、マスクを着用できる人は着用するようにしてコロナ感染予防対策にも気を使った。