三重県立水産高校(志摩市志摩町)水産資源科アクアフードコースの高校生20人で作るチーム「ボニータ」と食品メーカー「利八屋」(伊勢市植山町、TEL 0596-37-3010)が共同開発した新商品が1月から、県内のスーパーなどの売り場に並んだ。
【その他の画像】三重の水産高生と伊勢市の食品加工会社、カツオとマグロの新商品
「ボニータ」は、カツオの解体ショーを行い地元で捕れた魚の魅力をPRしたり、2016(平成28)年から同社と共に商品開発し販売することで商品開発や流通、販売促進などの仕組みを学びつつ、志摩市の活性化に貢献するために活動する。これまで今回の新商品2品を合わせて合計9品を完成させ、昨年4月までの4年間で累計約1500万円を売り上げた。カツオの商品が売れることでカツオの水揚げを志摩市に呼び戻し、一次加工可能な事業所の設立と雇用の場を創出することを目指す。
新商品は、レトルトパウチのスパゲティソース「カツオのミートソース甘口版」(486円)と「マグロのパテ缶詰版」(648円)。
「カツオのミートソース甘口版」は開発済みの商品を子ども向きに甘く仕上げたもので甘味料に志摩市産のサトウキビを搾ったジュースを加えた。「マグロのパテ缶詰版」は瓶詰めから缶詰にしたことで賞味期限を冷蔵保存90日から常温保存3年まで延ばすことに成功、「プレーン」「バジル」「ブラックペッパー」の3種類の味を用意した。
新しい取り組みとして、商品を活用したアレンジ料理をわかりやすく約1分の動画にまとめ、商品パッケージに動画にアクセスできるQRコードを貼り付けた。
同校の卒業生でかつお節の加工会社を経営してきた志摩市長の橋爪政吉さんは「これまで市議会議員時代にも県に掛け合って、実習船『しろちどり』で高校生たちが釣った魚を地元の漁港で水揚げできるようにしてほしいと何度も要望を出したがダメだった。今回、この商品のために特別に100キロのマグロを買取りできたことは奇跡。高校生たちの夢が叶うように応援したい」と話す。
「ボニータ」のメンバーは、2月6日には、イオン明和店(多気郡明和町)で、同13日には、五桂池ふるさと村「マルシェグランマ」(多気郡多気町)でカツオの解体ショーと新商品のPR販売を行う予定。