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鳥羽市の和食店「馳走」が毎月子ども食堂 移住した店主、地域にお返し

鳥羽市の和食店「馳走」が毎月子ども食堂 移住した店主、地域にお返し

鳥羽市の和食店「馳走」が毎月子ども食堂 移住した店主、地域にお返し

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 季節料理「馳走(ちそう)」(鳥羽市安楽島町、TEL 0599-25-4320)が昨年10月から、毎月第4日曜に「子ども食堂」を開き、テークアウトの弁当を限定50食振る舞っている。

【その他の画像】「季節料理 馳走」毎週第4日曜に子ども食堂

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 2018(平成30)年12月15日にオープンした同店。店主の中川浩司さんは京都市出身で岐阜県下呂温泉の「ホテルパストール」(岐阜県下呂市、2017年3月31日閉館)で24年間和食の料理長を務めた。伊勢志摩の食材に魅了され鳥羽市に移住、同店を開業した。ミシュラン3つ星を獲得する東京銀座のすし店「すきやばし次郎」(東京都中央区)の小野二郎さんとも旧知の仲。トマトをアレンジした「トマ味鍋」や伊勢湾・鳥羽湾産の「煮アナゴ」、鳥羽市がブランド魚として推進する「トロさわら」などをオリジナル料理で提供する。

 子ども食堂は毎月第4日曜の昼11時~13時30分限定で、店舗まで取りに来た子どもに無料で提供している。メニューは、昨年10月25日は「松阪牛牛丼」、11月は「トリのくわ焼き丼」、1月24日は「松阪牛の和風牛すじシチュー」だった。

 中川さんの妻で同店おかみの京子さんは「コロナ禍でどこも大変な状況でヒトもモノも動かなくなってしまった。循環を止めないようにしなければと思い、まずは行動しようとやってみたところ、鳥羽市社会福祉協議会のスタッフさんたちの協力でいろいろな人に声を掛けていただき、歩みだした」と話す。

 中川さんは「岐阜から移住してヨソモンが店を営業せていただき、鳥羽の人たちに受け入れていただいた。何かお返しをしたいと思い、昨年の2月ごろから子ども食堂を始める準備をしていたが、コロナの感染拡大で休業せざるを得なくなった。ようやく昨年10月からスタートできた。本当なら子どもたちにはお店に来て食べてもらって食器の片付けをしてもらうなど食育にも取り組みたいと思っているが、今はテークアウトで対応させていただいている。それでも子どもの笑顔を見るとやってよかったと思う。持続可能な形でこれからも(子ども食堂を)続けていきたい」とほほ笑む。

 同店はコロナ感染拡大防止対策を徹底するため仕切りカーテンの設置や空気清浄機などを導入するほか、料理を真空パックし自宅に届ける「馳走倶楽部(ちそうくらぶ)」(1万2,000円)やおせち料理の「ご馳走セット」(2万5,000円)、自宅で気軽に料理が楽しめる「おこもりセット」などを提供しながら、コロナ禍をしのいできた。

 中川さんは「料理人として、子ども食堂で提供させていただくメニューも、無料だからといって妥協はしない。食材にもこだわり、子どもがおいしいと喜んでくれる料理を無理のない範囲で提供し続けていきたい。もし、地元で作り過ぎて食べてもらうのに困っている新鮮な野菜や、大漁に捕れたピチピチの魚などが、あればご提供いただければ、さらに地域循環の和が広がって行く気がする」とも。

 「1日50食限定で予約制とさせていただいているが、まだまだ試行錯誤しながらなので、ご迷惑をお掛けすることもあるかも知れない。まずは鳥羽市の安楽島町や高丘町にお住まいの子どもたちに食べてもらえるように進めていきたい。次回は2月28日を予定」と京子さん。

 営業時間は17時~22時。木曜定休。

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