「志州隼人有限責任事業組合(LLP)」(志摩市阿児町、TEL 0599-43-2427)が12月20日、志摩市商工会(同)で芋焼酎「本格きんこ焼酎 志州隼人(ししゅうはやと)」の新酒発表会を行った。
【その他の画像】ブランド芋焼酎「本格きんこ焼酎 志州隼人」の新酒発表会
サツマイモの一種「ハヤトイモ(隼人芋)」を干した志摩の郷土食「きんこ」を主原料にした同商品。志摩の海女や漁師たちの保存食で、主に志摩市志摩町越賀地区で栽培するハヤトイモを煮て皮をむき、天日干しにした加工品「きんこ」に米麹(こうじ)を使って製造。通常約4カ月間寝かせてから出荷するが、「志州隼人」は約9カ月間熟成させてから出荷する。
志摩市商工会が2010(平成22)年度に地焼酎のブランド化事業「地域資源∞全国展開プロジェクト」に取り組んだことをきっかけに、ハヤトイモの栽培拡大による耕作放棄地の再生、「きんこ」の製造工程で出る廃棄物の活用、生産者の利益確保、食文化の継承、高齢者の生きがいづくり、就農支援などを目的に2011(平成23)年10月1日に有志でLLPを設立し現在に至る。
伊勢の酒造会社「伊勢萬」(伊勢市小俣町)が製造する同商品は、「きんこ」だけを使う「ゴールド」と、「きんこ」を加工する際にこれまで捨てていた甘皮や規格外の小イモで作る「スタンダード」の2種類。「ゴールド」は一本一本にシリアルナンバーと年号を付けた金のプレミアムラベルで封印し、「スタンダード」はラベルに出荷した年号を印字する。
同酒の企画開発から関わる「伊勢萬トレーディング」(伊勢市宇治今在家町)の溝口武さんは「どうすればおいしい芋焼酎ができるか、当初は製造にとても苦労した。昨年、農家さんに作ってもらった『きんこ』が、天気が良かったことから出来が良く、でんぷんの量が多く、今年の『志州隼人』はふくよかなイモの味が楽しめる。毎年味が違うのも楽しみの一つ」と話す。
LLP会長の西尾亮さんは「今年12年目になり、志摩のブランドとして定着してきたと思う。伊勢志摩で撮影し来年公開の映画『親のお金は誰のもの 法定相続人』の劇中にも少し映っているので公開時には映画館に行って『志州隼人』を探してほしい。志摩市以外の人にも自信を持って勧めてほしい」と呼びかける。
製造本数は、ゴールド=677本、スタンダード=3365本。価格は、ゴールド=3,670円、スタンダード=1,580円(以上、内容量=720ミリリットル、アルコール度数=25度)。
販売店は以下の通り。「べんのや酒店」(志摩町和具)、「小川商店」(志摩町越賀)、「トミヤリカーショップ」「おかよし」(以上大王町波切)、「隅甚酒店」「カンパイ伊勢志摩」「カネカ 駅前店」「酒やビック 志摩店」「酒やビック 阿児店」(以上阿児町鵜方)、「田中屋酒店」(磯部町迫間)、「マサヤ」(南伊勢町宿浦)。