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志摩産干し芋使う焼酎「志州隼人」新酒発表会 11回目の開催

志摩産干し芋使う焼酎「志州隼人」新酒発表会 シリアルナンバー「1」を志摩市商工会に贈呈する。

志摩産干し芋使う焼酎「志州隼人」新酒発表会 シリアルナンバー「1」を志摩市商工会に贈呈する。

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 芋焼酎「本格きんこ焼酎 志州隼人」の新酒発表会が12月13日、志摩市商工会館(志摩市阿児町鵜方)多目的ホールで行われた。

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 今年で11回目となる同発表会。同焼酎は、志摩の海女や漁師の保存食として親しまれている郷土食材で、志摩市内で栽培されるサツマイモの一種・ハヤトイモを煮て皮をむき、天日干しにした加工品「きんこ」を主原料に米こうじを使って製造する芋焼酎。独特の香りと、一般の芋焼酎に比べ2倍以上の約9カ月間掛けて熟成させているのが特長という。販売を通して「きんこ」の生産を増やし、ハヤトイモの栽培拡大による耕作放棄地の再生、「きんこ」製造工程で出る廃棄物の活用、生産者の利益確保、食文化の継承、高齢者の生きがいづくり、就農支援、循環型社会への取り組み、地域活性化などを目的に2011(平成23)年10月、同焼酎の販売促進・PRなどを行うための受け皿として「志州隼人有限責任事業組合(LLP)」(志摩市阿児町)を立ち上げ、製造を始めた。

 製造は、広域伊勢志摩圏内で唯一焼酎を製造する酒造メーカー「伊勢萬」(伊勢市小俣町)。「きんこ」だけを使う「ゴールド」と、「きんこ」を加工する際に出る甘皮や規格外の小さな芋で作る「スタンダード」の2種類があり、「ゴールド」にはシリアルナンバーと製造年号を記した金のラベルを貼る。

 発表会で、LLP会長の西尾亮さんは「11年間に約3万5000本を製造し、飲んでもらっている。酒の文化がないところに生まれた焼酎だが、どこにも負けないくらいおいしい自慢の芋焼酎。どんどん広め、飲んでもらい、志摩のブランドにしてもらいたい」と呼び掛けた。志摩市長の橋爪政吉さんは「同焼酎のブランド化は、SDGsに通じる活動で、最近の言葉なら『アップサイクル』な商品としても先駆け。これまで以上にメジャーになってほしい」と期待を寄せる。

 開発時から関わる伊勢萬トレーディング(伊勢市宇治今在家町)のブランドマネジャー・溝口武さんは「最初に志摩市商工会から話をもらったときは『きんこ』そのもので焼酎ができないかということだった。皮は捨てていると聞き、もったいないので活用すべきと提案したのが『レギュラー』開発の秘話。香りが華やかで瓶内熟成も楽しみな焼酎に仕上がった」と話す。

 LLP販売担当の吉田五十三さんは「原材料に、ゴールドには『きんこ』約200キロを、レギュラーでは『きんこ』の皮約1000キロを、それぞれ生産者から仕入れ、ゴールド約600本、スタンダード約3000本が完成した。小さな芋と共に捨てていた皮の部分は、天日干しにしたりひっくり返したりと手間は掛かるが、お金にならなかった約1000キロが少しでもお金になっているので生産者にも喜んでもらっている」と話す。

 価格は、ゴールド=3,670円、スタンダード=1,580円。内容量=720ミリリットル、アルコール度数=25度。

 販売店は以下の通り。「べんのや酒店」(志摩町和具)、「小川商店」(志摩町越賀)、「トミヤリカーショップ」「おかよし」(以上大王町波切)、「隅甚酒店」「カンパイ伊勢志摩」「カネカ 駅前店」「酒やビック 志摩店」「酒やビック 阿児店」(以上阿児町鵜方)、「田中屋酒店」(磯部町迫間)、「マサヤ」(南伊勢町宿浦)。

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