学ぶ・知る

「祈りの花」伊勢神宮へ奉納、被災地の復興祈る-池坊華道会

「祈りの花」伊勢神宮へ奉納、被災地の一日も早い復興祈る、池坊華道会

「祈りの花」伊勢神宮へ奉納、被災地の一日も早い復興祈る、池坊華道会

  • 0

  •  

 華道家元池坊による「献華祭(けんげさい)」が4月4日、桜咲く伊勢神宮参集殿能舞台で執り行われた。東日本大震災で亡くなった人々への追悼と、被災地の一日も早い復興を祈願し、紅桃と白桃一対の「生花(しょうか)」が奉納された。

紅白の桃の花を伊勢神宮へ奉納、池坊伊勢神宮献華祭

[広告]

 池坊華道会(京都市中京区)が毎年行う同祭は今回で67回を迎えた。この日は約300人の関係者と大勢の参拝者が、「献華の儀」を見守った。献華奉仕者は、全国の池坊会員約60万人の中から選ばれた名古屋支部長の水谷忠弘さんと大垣支部長の近藤晏行(やすゆき)さんの2人。

 献華奉仕者は、「生花」の基本である「真(しん)」「副(そえ)」「体(たい)」にのっとり、息を合わせ互いに「本勝手(ほんがって)」(左)と「逆勝手(ぎゃくがって)」(右)を意識し、調和させながら、青竹を切ったずんどうの花器に紅桃と白桃をそれぞれ生けた。

 もともと「生け花」は、仏前への「供花」「祈りの花」が起源。紫雲山頂法寺(京都市中央区)「六角堂」を発祥として室町時代中期に誕生した。池坊の生け方(様式)には大きく分け「立花(りっか)」「生花」「自由花」の3つの様式がある。「生花」とは、花そのものの持つ美しさをできるだけ自然のままに生ける様式をいう。

 同伊勢支部の富田純子支部長は「このような献華祭のご奉仕をさせていただき、とてもありがたく思う。生け花など伝統文化への関心は、時代とともに低くなっているが、生け花本来の精神を伝えていきたい。被災地の一日も早い復興をお祈りする」と話す。一行は生花を神楽殿に奉納し、伊勢神宮への正式参拝を行った。

伊勢志摩経済新聞VOTE

現在お住まいはどちらですか?

エリア一覧
北海道・東北
関東
東京23区
東京・多摩
中部
近畿
中国・四国
九州
海外
セレクト
動画ニュース