皇學館大学(伊勢市神田久志本町)の佐川記念神道博物館で現在、博物館学芸員課程の4年生による卒業展示が開催されている。第1展示室では企画展「皇學館大学140年のあゆみ」も同時開催している。
皇學館大・神道博物館で学芸員課程卒業展示 有職文様や京都博覧会テーマに
今年の卒業展示は、同学芸員課程を履修する4年生13人が2班に分かれて企画・構成を担当した。
第2展示室では、A班(7人)による「有職文様(ゆうそくもんよう)かたちに宿る秩序と美」を開催。平安時代以来の公家社会の儀式や装束、調度品などに用いられてきた日本独自の文様として変化した「有職文様」の成立と変容を紹介する。会場には、学生が展示を熱望した住吉大社御帳台(みちょうだい)の「帳(とばり)」(神道博物館所蔵)を展示。
B班(6人)は「京都博覧会 ~人々を魅了した博覧会の姿~」を開催。1871(明治4)年、東京奠都(てんと)で活気を失いかけた京都の復興・産業振興を掲げて西本願寺で始まった博覧会の足跡を、同館所蔵の小原家文庫資料からたどる。会場には仙洞御所(せんとうごしょ)などが描かれた扇面や、翌年のウィーン万博の出品募集が一体となった品目一覧、昭和初期の「大礼記念京都大博覧会」の大礼服や写真資料などを並べ、単なる展示にとどまらず即売会の熱気を帯びていた当時の博覧会の姿を伝えている。
学生らを指導する同大学研究開発推進センター准教授で同学芸員の小林郁(かおる)さんは「有職文様も京都博覧会も非常に難解なテーマだが、学生たちが自らの手で丹念に調べ、見事に一つの展示としてまとめ上げた」と目を細める。
展示品の中には、伊勢神宮の装束に使用されていた裂(きれ)を手鑑(てかがみ)にした貴重な資料も含まれる。小林さんは「一般に図案化されている文様と異なり、神宮で使用されている文様は、神聖な信仰に関わる重要な意味を秘める。今回展示している同館所蔵の『神宮御装束裂帖(じんぐうごしょうぞくれっちょう)』では、呉竹(くれたけ)や鶺鴒(せきれい)、小車(こぐるま)など神宮ゆかりの文様を公開している。有職文様や京都博覧会など、難しいテーマと向き合いながら形にした学生たちの努力のたまものをぜひ見てほしい」と話す。
開館時間は、平日=9時30分~16時30分(入館は16時まで)、土曜=9時30分~12時30分(同12時まで)。日曜と祝日の9月22日・23日は休館(9月21日は開館)。入館無料。9月26日まで。