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「的矢かき」のシーズン5カ月間しか営業しない飲食店「藤矢」-どこよりも新鮮な理由

「的矢かき」のシーズン5カ月間しか営業しない飲食店「藤矢」-どこよりも新鮮だと自負(写真手前はカキフライ5個をタマゴでとじた「かき丼」、右は郷土料理の「かきみそ焼き」奥が「生ガキ」)

「的矢かき」のシーズン5カ月間しか営業しない飲食店「藤矢」-どこよりも新鮮だと自負(写真手前はカキフライ5個をタマゴでとじた「かき丼」、右は郷土料理の「かきみそ焼き」奥が「生ガキ」)

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 「三重ブランド」に認定され冬の味覚として知られる高級食材の「的矢かき」の出荷が12月に入り本格化している。カキのシーズンだけの5カ月間しか営業しない飲食店「藤矢」(志摩市磯部町、TEL0599-57-2806)には週末になると開店前から列ができ閉店時間になるまで客足が途切れないという。

どこよりも新鮮な「的矢かき」を提供することができる理由を教えてくれる「藤矢」の橋本さん

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 佐藤養殖場(同)の創業者で水産学者の故佐藤忠勇(ただお)さんが、「おいしいカキを安心して食べられるように」と志摩市の的矢湾で研究を重ね発明したカキの養殖法や滅菌処理法は、今やカキ業界のデファクトスタンダードとなっている。的矢湾には、5500ヘクタールに及ぶ広大な伊勢神宮の宮域林から流れる水を集めた神路川、池田川、野川の3本の河川が直接流れ込みカキ養殖に最も適した環境を作る。

 同店は、佐藤養殖場や今年新しく完成した鳥羽磯部漁業協同組合的矢かき浄化管理出荷施設(同)のすぐそばの立地。同店オーナーの橋本征郎(いくお)さんは「カキが無くなればすぐに取りに行けばいい(笑)」というほどだ。「徒歩1分以内で新鮮なカキを仕入れることができるから、どこよりも新鮮なカキを提供することができる」(橋本さん)と太鼓判を押す。

 同店の創業は1989(平成元)年。橋本さんの妻のいつ子さんと橋本さんの友人の松下稔さんとその妻・マサミさんが、湾内にある渡鹿野島(わたかのじま)までの定期船を待つ客の不便を解消するためにオープンした喫茶店だった。その後、的矢かきを気軽に食べたいという客のニーズに応えてカキ料理を提供する店になった。「当初は1年間通して開けていたが、今ではカキがおいしく食べられる11月から3月までの5カ月間だけしか開けていない」(橋本さん)という。

 人気のメニューは、「殻付き生ガキ3個」(750円)や「カキフライ」(850円)、定食メニューの「カキフライ定食」、的矢地区の郷土料理となっているネギとこんにゃくをみそ焼きにして出す「カキみそ焼き定食」(以上1,100円)、プリプリの揚げたてのカキフライ5個をタマゴでとじた「かき丼(アオサのみそ汁付き)」(950円)など。土曜・日曜・祝日には限定20セットの「かきごはん(みそ汁付き)」(700円)も人気だという。

 橋本さんは「やはり、ここまで来ていただいたら生のカキを召し上がっていただきたい。カキの外套膜(がいとうまく)が収縮していないこと観察して欲しい。ほとんどが常連客で、毎年生カキだけを1人で30個以上食べて帰る人もいる。カキ丼やカキみそ焼きはライダーに人気。気軽に入って新鮮な『的矢かき』を食べていただければ」とも。

 営業時間は11時~16時。火曜定休。

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