介護付き有料老人ホーム「虹の夢とば」(鳥羽市鳥羽)で4月29日、「春祭り」が開催され、餅ではなく伊勢志摩地方に伝わるソウルフード「田舎あられ」を入れた汁粉を振る舞った。
鳥羽の介護施設で春祭り お汁粉に、餅の代わりに「田舎あられ」
単調になりがちな生活にアクセントをつけ、利用者に楽しんでもらいたいと初開催の春祭り。昨年12月には「焼き芋祭り」と題して喉に詰まらないようにホクホク系の焼き芋ではなくしっとり系の「紅はるか」120本を炭火で焼いて提供した。
「田舎あられ」は、主にもち米やうるち米で作られた素焼きのあられで、餅を平らにし細かく切り、乾燥させて煎(い)った保存食で、伊勢志摩地方の家庭で昔から作られていたソウルフード。近年は家庭で作る人が少なくなり、田舎あられを製造する事業者の商品が地元小売店の棚に並ぶ。味を付けない素焼きのもののほか、塩味をベースにゴマやシソ、あおさのりなどを混ぜたものも増えている。志摩市浜島町では「出産の印」として黒砂糖でまぶしたあられを親戚や近所に配る習慣が残る。
副施設長の小寺由美さんは、朝から炭に火をつけ、軽く炙(あぶ)った「まるじん本舗」(志摩市浜島町)製造の塩味が利いた田舎あられを、1924(大正13)年創業の「伊勢餡(あん)製所」(伊勢市河崎)のこし餡(あん)で作った汁粉に入れ、利用者に提供した。この日は、利用者、その家族、スタッフなど約150人分を用意した。
小寺さんは「焼き芋の時もそうだが、高齢者は固形物で喉に詰まらせ誤嚥(ごえん)性肺炎を起こすリスクがある。餅も本当は食べたいと思うが、何かおいしくていい方法はないかと考えた結果、伊勢志摩で昔から食べられている田舎あられを入れればいいのでは、とひらめいた。あられの塩味がとてもおいしいと喜んでもらえた。みんなが力を合わせてくれたおかげ開催できた」と話す。
「利用者にとって、日々の食事が何よりの楽しみ。これからも利用者に寄り添い、喜んでもらえるようにいろいろと考え、取り組んでいきたい」とも。