伊勢市（旧宇治山田市岩渕町）が生んだ伝説の名投手・沢村栄治生誕100周年を記念したプロ野球オープン戦「巨人VS日本ハム」が3月22日、倉田山公園野球場（伊勢市楠部町）で行われている。

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　1917（大正6）年2月1日生まれの沢村栄治は、明倫小学校（伊勢市岡本）時代から野球を始め、京都商業学校（現・京都学園高校）へ。同郷の山口千万石（せんまんごく）捕手とバッテリーを組み京都商業時代の1933（昭和8）年春と1934（昭和9）年春・夏の高校野球全国大会に出場し、甲子園のマウンドを踏んだ。1934年日米野球の全日本チームに出場し、ベーブ・ルースなどクリーンアップを4者連続三振に取る。

　1936（昭和11）年にプロ野球（職業野球）リーグが誕生すると東京巨人軍（現・読売ジャイアンツ）の選手として活躍。プロ野球通算63勝22敗、防御率1.74、ノーヒットノーラン3回達成。1944（昭和19）年12月2日出兵し、乗船していた船が撃沈され戦死。享年27。巨人は没後1947年7月9日、沢村の功績をたたえ背番号14番を永久欠番にし、プロ野球年間最優秀投手に贈る賞「沢村栄治賞（沢村賞）」を設立した。1959（昭和34）年野球殿堂入り。

　この日は巨人軍の全選手が沢村の背番号「14」で試合に臨んだ。始球式を沢村の一人娘・酒井美緒さんが務め、投げたボールがノーバウンドでキャッチャーミットに届くとスタンドから大きな歓声が沸き上がった。

　地元・宇治山田商業高校（同黒瀬町）野球部出身で2007年夏の甲子園でピッチャーとしてマウンドに立った中井大介選手（61番）は、「沢村栄治さんは偉大な先輩。同じ伊勢で野球ができることは何かご縁があるのかな。両親や友人らが見に来てくれているのでいいところを見せたい」と話していた。

　伊勢市は沢村栄治生誕100周年記念事業として、伊勢市観光文化会館（伊勢市岩渕）で今月26日（9時～19時）まで「沢村栄治生誕100周年記念展」、25日（18時30分～20時30分）には山田雅人さん公演「沢村栄治物語」を開催する。