南伊勢町在住の田岡正広さんが昨年11月、郷土の偉人「河村瑞賢」についてわかりやすく伝える書籍「わたしの瑞賢論」を出版した。

【その他の画像】河村瑞賢について賢島大学で講演する田岡さん

　1618年2月生まれで今年生誕400年を迎える河村瑞賢は、同町東宮出身。江戸時代、海運航路（東回り・西回り航路）の開拓、淀川河口をはじめ各地の治水工事を成功させ、今日の海運航路、治水工事の基礎をつくった。1699年没。国道260号線沿いにある「河村瑞賢（ずいけん）公園」と治水工事を監督指揮する姿の河村瑞賢の銅像は1990年6月、「ふるさと創生事業」の一環として整備し建てられた。

　自費出版した田岡さんは「瑞賢が開拓した海運航路によって日本の物流が大きく変わった。特に1672年に酒田市から日本海を西に下る西回り航路は、これまで酒田から江戸まで1年以上かかっていた輸送がわずか2カ月に短縮することができ、物流の大改革として江戸時代の日本経済を大きく発展させることになった。この航路開拓は江戸を発展させただけでなく、農民の所得を倍増させ寄港地にも繁栄をもたらし、地方の活性化に大いに貢献した」と話す。

　田岡さんは「『わたしの瑞賢論』を手にとっていただき、少しでも多くの人に河村瑞賢を知ってもらえれば」とも。

　価格は864円。「マサヤ」（南伊勢町宿浦、TEL 0599-69-3111）で販売する。