伊勢神宮で大麻用材伐始祭、「大麻」の元となる木を切り始める祭典

伊勢神宮で大麻用材伐始祭、「大麻」の元となる木を切り始める祭典

伊勢神宮で大麻用材伐始祭、「大麻」の元となる木を切り始める祭典

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 伊勢神宮のお神札(ふだ)「大麻(たいま・おおぬさ)」のご神体となるスギ材を神宮林から切り出す「大麻用材伐始祭(たいまようざいきりはじめさい)」が4月17日、伊勢神宮の森の中にある丸山祭場(伊勢市宇治今在家町)で行われた。

【その他の画像】「大麻」の元となる木を切り始める「大麻用材伐始祭」

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 正面に横たわる神路山の木々は新緑に染まり、さまざまな緑色を形成し、祭場は木々に囲まれ野鳥のさえずりが響きのどかな時間と空間を作っている。神饌を奉納し、作業の安全を祈願する祝詞(のりと)が奏上されると、素襖烏帽子(すおうえぼし)姿の小工(こだくみ)が神路山に向かってオノを3回振り下ろした。鷹司尚武大宮司や高城治延少宮司を始め神職・職員ら約70人が参列し、祭典を静かに見守った。

 大麻は、「御真(ぎょしん)」と呼ぶご神体を和紙で包み中心に納めたもので、神棚などに祭る伊勢神宮のお神札のこと。切り出したスギは、神宮司庁頒布部第二奉製所に運ばれ製材し半年間、風雨にさらしヤニを取り、乾燥させ、厚さ約1ミリの木地に加工し丁寧に和紙で巻いた御真になる。

 御真は第一奉製所に移され、約900万体の大麻に納められ包み紙などに包まれ、大麻修祓式でお祓いをした後、9月の「大麻暦頒布始祭」から神社本庁を通じて全国各地の氏神を祭る神社に頒布され、各家庭に届けられる。

 大麻は、大きく分けて、伊勢神宮で直接授与する「授与大麻」と全国の神社に頒布される「頒布大麻」の2種類がある。内宮と外宮にそれぞれ「天照皇大神宮」「豊受大神宮」と書かれた「角祓(かくはらい)」「大角祓い」「剣祓(けんはらい)」の3種類6体と海上安全・大漁満足を祈願する「海幸大麻」がそれぞれ1体づつある。また14の別宮にもそれぞれの宮名の「剣祓」1体づつがあり、神宮の神楽殿や社務所などで受けることができる。

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