夏至の日の6月21日、二見興玉神社(伊勢市二見町)の夫婦岩(めおといわ)前の海でみそぎを行い、心身の汚れをはらう恒例の「夏至祭」が行われた。
伊勢・二見興玉神社で夏至祭、夫婦岩の前でみそぎ 朝もやの鈍色から青空へ
深夜には激しい雷鳴が響き、前夜からの雨が降り続いていたものの、みそぎの神事が始まる頃には雨がやみ、境内に朝もやが立ち込めた。この日の海は波も無く穏やかな状態だった。参加者が一斉に肩まで海水に浸かると、その動きに合わせて海面に波が興(おこ)った。参加者全員による国歌斉唱が始まると場の空気が一変。それまで立ち込めていた霧が引き、鈍色の空の隙間から青空がのぞくドラマチックな天候変化を見せた。
今年で2回目の参加という東京大学4年の高木俊輔さんは「昨年とは水位も水温も違ったが、海に入ると心身ともに清々しい気持ちになれた。昨年は澄み切った空だったが、今年は一転して霧がかり、これはこれでとても幻想的だった。その双方の美しさを目の当たりにし、自然への感謝が湧いた。このみそぎで今後半年のパワーをもらったので、大学院進学に向けて研究を頑張りたい」と話す。
今年5月に境内社「龍宮社」の絵馬デザインを手がけた画家の西村麻里さんは「水は冷たかったが、周囲との一体感が高まるにつれて不思議と体が温かくなり、涙を流す人の姿を見てさらに胸が熱くなった。みそぎの最中に頭が『無』になる瞬間があり、深く洗われた実感があった。海に入った瞬間に波が立ち、上がった時には青空が広がるなど、とても神がかり的な体験だった」と感動を口にした。
同神社の金子清郎宮司は「人類の長い歴史の中で、親から子へと継承されてきた命は非常に尊いもの。悩みや苦しみでその魂を曇らせてしまっては一文の得にもならない」と言葉を寄せる。「(夏至祭に参加し)今日の嘘のない清らかな心を忘れず、これからの人生を全力で、力強く進んでいただきたい」と参拝者に向けて激励の言葉を述べた。