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伊勢の藤屋窓月堂が新作菓子もちドラ「しきなみ」 地酒の酒かすと米粉使う

伊勢の藤屋窓月堂が新作菓子もちドラ「しきなみ」 地酒の酒かすと米粉使う(撮影=岩咲滋雨)

伊勢の藤屋窓月堂が新作菓子もちドラ「しきなみ」 地酒の酒かすと米粉使う(撮影=岩咲滋雨)

 老舗和菓子店「藤屋窓月堂」(伊勢市宇治中之切町)と河武醸造(多気町五桂)による米粉と酒かすを使った新作菓子もちドラ「しきなみ」の販売が5月23日に始まった。

伊勢の藤屋窓月堂の新作菓子=もちドラの「しきなみ」

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 1868(明治元)年創業の藤屋窓月堂は伊勢名物「利休饅頭(まんじゅう)」で知られ、伊勢神宮内宮(ないくう)の門前町にある本店と国道23号線沿いの本館(鹿海町)、宮町支店(宮町)の直営3店を持つ。1857年創業の河武醸造は、日本神話「岩戸伝説」に登場する力の神様「天手力男命(あめのたじからおのみこと)」を祭る佐那神社のすぐそばで、日本一の清流とされる宮川と櫛田川に挟まれた地で、2つの川の伏流水をくみ上げ日本酒を製造。代表銘柄に「鉾杉(ほこすぎ)」があり、近年新ブランドの「式(SHIKI)」を展開する。

 開発のきっかけは、河武醸造の女性社員からのアプローチ。かつて和菓子職人を目指して県内の和菓子店で修業していたという同社員は、以前から藤屋窓月堂の熱心なファンだった。河武醸造の河合英彦社長から「好きなことをやってみろ」と背中を押されたことをきっかけに、お酒とお菓子のセット販売の提案で同店を訪れた。

 藤屋窓月堂の吉尾雄介社長は「河武醸造とは、弊社の赤飯に鉾杉を入れて作ることから仕入れ先という関係でもあり、互いによく知る仲だった。河武醸造とのコラボ商品で相乗効果を得ることができれば」と応じ、両社の素材を生かした新しい共同開発商品への取り組みがスタートした。

 かつて、セミノール(かんきつ類)とアオサを使った菓子「しきなみ」を展開していたが、原料高騰やコロナ禍を機に販売を休止。今回はその「しきなみ」の商標を復活させ、ひらがな表記のロゴもそのまま採用。パッケージには河武醸造の日本酒ブランド「式」のホームページで使われている大台町の美しい景色のグラフィックを取り入れた。倭姫命(やまとひめのみこと)がさらによい宮地を求め伊勢国に来た際、「この神風の伊勢国は、常世(とこよ)の浪(なみ)の重浪(しきなみ)帰(よ)する国なり 傍国(かたくに)の可怜国(うましくに)なり この国に居らむと欲(おも)ふ」と神託を受けたことから「しきなみ」と名付け、伊勢の風土を生かしたお菓子という思いを込め、「式」にもちなんだ。

 ベースとなる菓子の形を模索する中、吉尾さんの頭に浮かんだのは、約10年前に当時の従業員が試作していた、米粉を使った「もちもちのどら焼き(もちドラ)」のレシピだった。京都の有名銘菓を目標に開発されたものの、当時は吉尾さんに決済権がなく、商品化に至らずに眠っていた「幻の生地」だという。

 吉尾さんは「伊勢で生活し、神宮に関わる活動をする中で、毎回、『米』の大切さに行き着く。河武醸造は、代表的な酒米の『山田錦』の祖先といわれる三重県在来の酒米『伊勢錦』の突然変異でできた新しい酒米『弓形穂(ゆみなりほ)』を長年育てて、その酒米で日本酒を造っており、自社でも小麦粉だけに頼らず米を使った商品を作りたいという思いが重なった」と振り返る。

 生地には米粉と小麦粉を8対2の割合で配合。30年以上大切に使い続けているどら焼き機で焼き上げた後、手作業で餡(あん)を挟む。河武醸造の「式」の大吟醸酒の酒かすをペースト状にして練り込んだ特製餡は、華やかな香りが広がる味わいに仕上げた。生地の「もっちり感」が失われず、最良の状態で食べてもらうため、同店の通常のどら焼き(10日間)よりも短い「賞味期限7日間」に、あえてこだわった。

 価格は1個200円。藤屋窓月堂の直営3店舗のほか、河武醸造の直売店(本社事務所)でも販売する。営業時間は、本店=8時30分~17時、本館・宮川店=8時30分~17時30分。

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