「瓦20枚割る格闘家」福祉タクシー開業、モップ頭の「め組福祉タクシーグループ」に

「陣吉福祉タクシー」を新たに開業した陣之内幸吉さんは「瓦20枚割る格闘家」。空手のポーズでカメラの前に立ってくれた。

「陣吉福祉タクシー」を新たに開業した陣之内幸吉さんは「瓦20枚割る格闘家」。空手のポーズでカメラの前に立ってくれた。

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 「モップ頭の福祉タクシー」で話題を集め、今年7月に開業した「め組福祉タクシー」(伊勢市下野町、TEL 0120-719-152)の仲間に11月18日、「瓦20枚割る格闘家」が加わった。新たに開業したのは「陣吉(じんきち)福祉タクシー」(志摩市阿児町国府、TEL 0120-508-173)の陣之内幸吉さん(58歳)。 

フル装備の特殊車両は車椅子2台を乗せることができる。スロープとともに車体も沈んで傾斜が緩やかになるトヨタのノア。

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 鹿児島県出身の陣之内さんは若いころ、少林寺拳法、日本拳法、空手などの格闘技を身につけ、空手にいたっては寸止め空手から実戦空手に移行し、正道会館(大阪市北区)の門をたたきアンディ・フグ選手らとともに通い、角田信朗さん、佐竹雅昭さんらの指導も受けた。現役の時には瓦20枚以上を割るほどの腕前。

 陣之内さんは「10月4日にホームヘルパー2級免許を取得した。母親が寝たきりになり4年前、息を引き取った。3年前運転中に対向車がセンターラインをオーバーし正面衝突し交通事故で車椅子生活を送った。格闘技は心技体の精神を学び、人の痛みを知るきっかけになった。その経験が今生かされ、お客様の立場になってサービスをすることができるように思う。(人生の)最後くらいは人に喜んでもらえるような仕事をしたいと思っていた」と福祉タクシー開業のきっかけを話す。

 福祉タクシーの代表者でタクシー乗務員の小出浩さんの風ぼうがドレッドヘアの「モップ頭」という強烈な印象で福祉タクシーとのギャップが話題になった「め組福祉タクシー」が、「瓦20枚割る格闘家」陣之内さんの加入によって、「め組福祉タクシーグループ」として助け合い連携するネットワークになった。

 日本福祉タクシー協会・三重支部の代表でもある小出さんは「め組福祉タクシーグループ」のネットワーク化について「陣之内さんが開業してくれたことで、お客様の送迎時間が重なったときなど、それぞれが助け合う仕組みができた。陣之内さんのほかにも近日中に開業する仲間が増える。まだまだ『福祉タクシー』そのものが認知されていないので、多くの人に知っていただき利用してもらえるように頑張りたい」と意欲をみせる。

 陣之内さんは「新年にあたり伊勢神宮へ初詣に行きたいと思う体の不自由な人にも、気軽に行けるように、お手伝いができれば」とも。初乗り運賃は1.5キロメートルまで630円、254メートルごとに加算運賃80円。

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