伊勢神宮の神田で「抜穂祭」-稲穂一本一本を丁寧に束ね秋の実りに感謝

伊勢神宮の神田で「抜穂祭」-稲穂一本一本を丁寧に束ね秋の実りに感謝

伊勢神宮の神田で「抜穂祭」-稲穂一本一本を丁寧に束ね秋の実りに感謝

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 豊かな秋の実りに感謝する祭り「抜穂祭(ぬいぼさい)」が9月4日、伊勢神宮の神田(伊勢市楠部町)で鷹司尚武大宮司や高城治延少宮司らが見守る中、粛々と執り行われた。

伊勢神宮の神田で「抜穂祭」

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 同祭は、4月の「神田下種祭(しんでんげしゅさい)」とともに神宮の最も重要な祭り「神嘗祭(かんなめさい)」に関連する祭りの一つで、収穫の儀式。神宮の行事や儀式などを記した「皇太神宮儀式帳」(804年)にも登場する。

 黄金色の装束を着た同神田の山口剛作長(さくちょう)と白装束の作丁(さくてい)10人が「チヨニシキ」が植えられた神田の前に整列すると、作丁2人が神田に入り、忌鎌(いみがま)と呼ばれる鎌で稲を刈り取った。その中から稲穂だけを1本ずつ抜き取り、麻のひもで2つの束を作った。

 約3ヘクタールを21枚に区画した神田は、伊勢神宮を流れる五十鈴川から引き込んだ水を使い、主にうるち米の「チヨニシキ」「キヌヒカリ」「イセヒカリ」、もち米の「カグラモチ」「アユミモチ」など10数種類を栽培する。抜穂祭後すぐ稲刈りを行い、1カ月ほどをかけて全ての稲を刈り取る予定。

 山口作長は「生育はまずまず。ワラも乾燥させながら作業をするので今月末まで稲刈りが続く。228俵、13トン以上の収穫を予定する」と話す。

 刈り取った稲穂は三節祭で使用するため乾燥させ、内宮の「御稲御倉(みしねのみくら)」に150束、外宮の「忌火屋殿(いみびやでん)」に108束を納め保管し、10月15日から始まる「神嘗祭」で初めて神様に新米をささげる。

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