買う 暮らす・働く

伊勢和紙で作った新素材でサコッシュ 伊勢菊一が商品化、早くも完売

伊勢和紙で作った新素材でサコッシュ 伊勢菊一が商品化、早くも完売

伊勢和紙で作った新素材でサコッシュ 伊勢菊一が商品化、早くも完売

 外宮(げくう)参道に店を構える「伊勢菊一」(伊勢市本町)が、新伊勢ブランド素材を使った初の服飾雑貨「イセワシテックス・サコッシュ」(2,700円)を先月発売したが、5月20日、初期ロットの300個が早くも完売した。

「伊勢和紙」で作った新素材「ISEWASHITEX」でサコッシュ

[広告]

 同商品は、伊勢市と山本寛斎事務所(東京都世田谷区)が連携して開発した伊勢の新しいブランド素材「ISEWASHITEX(イセワシテックス)」を使用。イセワシテックスは、伊勢神宮のお神札(ふだ)や紙垂(しで)として用いられている大豐和紙工業(伊勢市大世古)製造の「伊勢和紙」を細くよって「糸」にし、さらに「布」へと織り上げた織物素材。「It's 紙ing」のキャッチコピーを掲げる同素材は、和紙特有の清らかさと軽さを持ちながら、布のようなしなやかさと丈夫さを兼ね備えているのが特徴。今回のサコッシュは、同素材を用いた初めての服飾雑貨商品で、伊勢神宮外宮周辺で毎週末、神宮式年遷宮の伝統行事「御木曳(おきひき)」に参加する人たちに使ってもらおうと開発した。

 伊勢神宮外宮参道沿いにある伊勢菊一は、1907(明治40)年創業の老舗刃物店で、もともとは刀鍛冶師が店を構えた歴史ある打ち刃物店「菊一文字金近(きくいちもんじかねちか)本店」として営業を続けていた。2011(平成23)年10月に「伊勢菊一」としてリニューアルし、刃物以外にも伊勢ならではのオリジナル商品や土産物などを取り扱い、伊勢の文化を発信する観光交流拠点、参拝客や地域の人々が気軽に立ち寄れる場所として営業する。

 商品のサイズは、縦210ミリ、横150ミリ。各奉曳団が着用するそろいの法被になじむ「和モダン」なスタイルを意識し、伊勢和紙由来の自然な生成り色を生かし、本体には古くから祈りや守りの象徴とされてきた「勾玉(まがたま)」と、この地の記憶を意味する「ISE」の文字を刺しゅうであしらった。神宮の御用材を引き入れる「御木曳行事」に携わる奉曳(ほうえい)団の人たちが、当日に必要な手回り品を収め、両手を空けて奉仕に集中できるようにと実用的な道具としてしつらえた。

 同店を経営するJUING(ジューイング)代表の山本武士さんは「初期ロットの300個は2カ月かからず完売した。今後もイセワシテックスを使い、伊勢に思いをはせる新たな商品を開発し、ふるさと納税の返礼品としても提案していきたい」と意気込む。

 イセワシテックスの開発に関わった伊勢市観光誘客課の森下和哉さんは「2019年にあった駐日英国大使館で開かれた日英交流年『UK in JAPAN 2019-20』で山本寛斎さんと鈴木健一伊勢市長との出会いがきっかけでイセワシテックスが生まれた。2021年に伊勢新ブランド開発構想が動き出し、2022年に糸と布を開発、2023年にサンプルが完成し各企業に提案。2024年にネーミングやブランディング計画などを練り、2025年に本格的に動き始めた。山本寛斎さんが2020年7月に亡くなったことやコロナ禍になったことで一時はプロジェクトの先行きも危ぶまれたが、山本寛斎さんの強い遺志で製品化することができた。イセワシテックスをきっかけに、着てもらい、知ってもらい、伊勢に来たいと思ってもらえるような商品の開発に取り組んでいきたい」と話す。

伊勢志摩経済新聞VOTE

現在お住まいはどちらですか?

エリア一覧
北海道・東北
関東
東京23区
東京・多摩
中部
近畿
中国・四国
九州
海外
セレクト
動画ニュース