冬至を挟む前後2カ月間、伊勢神宮内宮の宇治橋と鳥居の中央から朝日が昇る。

白装束の神職が白い息を吐きながら早朝参拝を終え宇治橋を渡る

　11月15日早朝、美しい朝日とぽっかり浮かんだ雲のシルエットが遠近感を増幅させ絶好の光景を作った。居合わせたカメラマンは、爽やかな朝の風を受けながらシャッターを何度も切った。しばらくすると、神社本庁（東京都渋谷区）総合研究部による神宮道場（伊勢市宇治浦田）での中堅神職研修会に参加する神職53人が、白い息を吐きながら白装束姿で朝の参拝を終え、帰りの宇治橋を渡り始めた。カメラマンにとって思わぬシャッターチャンスが訪れた。

　昨年の冬至の日には約400人が鳥居前に集まったが、曇り空だったためご来光との対面は誰もかなわなかった。近年、その神々しい光景をカメラに収めようと多くのカメラマンが鳥居前に結集する。鳥居の真ん中から出る朝日を撮影するために、あえて冬至の日を外すカメラマンも多い。

　今年の冬至は12月21日。古代マヤ暦に記され全地球規模で「最後の日」を迎えるという予言、仮説を基に作られたスペクタル映画、ローランド・エメリッヒ監督のアメリカ映画「2012」（2009年製作）で描かれている「最後の日」2012年12月21日に当たる。

　伊勢市観光協会は毎年、冬至の日の朝日が昇った後、内宮駐車場に設置したテントで「冬至ぜんざい」を無料で振る舞い、ユズを無料配布する「冬至祭」を開いている。