近鉄は5月8日、自転車を折り畳まずに乗車できる「サイクルトレイン」を近鉄名古屋駅～賢島駅間に臨時列車として走らせた。

リカンベントで参加した名古屋のグループ

　4両編成の臨時列車は、自転車の前輪を座席に乗せ、ハンドルなどをつり革とベルトで固定し、名古屋を出発。愛知、岐阜、三重から58人が参加した。志摩の食材を使った「志摩市特製弁当」「あおさ汁」の振る舞い、「真珠のすくいとり」などをセットにした同ツアー。伊勢志摩国立公園の風光明美なコースを自転車で走り、参加者に現地の魅力を知ってもらい、「自転車」と「電車」の融合を提案するという。

　賢島駅に10時50分に到着した一行は現地スタッフと合流し、賢島大橋を渡り、この日「花祭り」が開催されている志摩国分寺（志摩市阿児町国府）を目指した。昼食と祭り見学後、志摩磯部駅まで自転車を走らせ、帰りの臨時列車に乗り込んだ。

　参加自転車には、ロードレーサータイプやマウンテンバイクタイプの自転車のほか、イギリス製の高級自転車「モールトン（Alex Moulton）」や、リカンベントという背もたれつきの特殊な自転車もあった。中には「ママチャリ」で参加する人も。

　サイクリングクラブ三重の代表の大山毅さんは「今回のイベントは単に電車に自転車を乗せて走った――というものだけではなく、三重県や志摩市など行政と民間企業、NPOが自転車を活用してまちづくりにつなげていこうとするもの。エコな乗り物として自転車をもっと見直し活用していこう」と呼びかける。「秋にも同じ『サイクルトレイン』を走らせることが決定したので、多くの方に参加してほしい。自転車を活用したまちづくりを行政とともに推進していきたい」とも。