バイカルアザラシの赤ちゃん2頭が9月18日、鳥羽水族館（鳥羽市鳥羽、TEL 0599-25-2555）の「先輩」バイカルアザラシ5頭がいる水槽に、おっかなびっくりな表情のままデビューした。

バイカルアザラシの赤ちゃん2頭がおっかなびっくり

　バイカルアザラシは、「透明度、水深、貯水量世界一」を誇るロシアのバイカル湖にだけ生息する。同湖は、琵琶湖の約47倍の面積を持つ三日月型の湖で1996年に世界遺産登録されている。一般的なアザラシは海水で生息するがバイカルアザラシは唯一淡水で生息する固有種。体長約1.2メートル、体重70～80キロの小型のアザラシで、性格は温厚だが神経質。1980年8月に日ソ学術交流の一環としてモスクワ動物園から初めて鳥羽水族館に贈られた。飼育記録日本一更新中の雌のナターシャは1981年5月17日入館の33歳。同水槽内の室温は13～14度、水温15～17度。

　2頭の赤ちゃんは、共にロシアで捕獲された野生の個体で推定1歳。8月29日に同館に入館し、環境に慣れるためバックヤードで健康チェックやエサやりのトレーニングなどをして過ごしていた。雄の「キール」は体重28.8キロ、体長90センチ、性格は「マイペース」、雌の「ライチ」は体重27.1キロ、体長88センチ、性格は「好奇心旺盛」。今日から「極地の海」コーナーの水槽の中で先輩たちとの共同生活がスタートする。

　2頭が水槽の中に放されると、先輩たちが「誰？」というような表情を見せながら水の中から2頭を凝視した。おっかなびっくりな表情をしたまま一瞬2頭は固まったが、好奇心旺盛なライチが最初に先輩たちの水槽の中に飛び込んだ。キールの方は、なかなか水槽の中に入ることをためらい30分後ようやく入水するが、3回ほど入ったり上がったりを繰り返した後、慎重な面持ちのまま仲間入りした。

　バイカルアザラシの飼育担当の北美香さんは「小さくてかわいくてたまらない…（笑）。無事に先輩アザラシたちと打ち解けることができるか心配だったが、仲良く輪の中に入ることができてひと安心。鳥羽水族館の人気者になってくれれば」と話す。

　開館時間は、3月21日～10月31日＝9時～17時、11月1日～3月20日＝9時～16時30分。入館料は、大人＝2,400円、小人＝1,200円、幼児（3歳以上）＝600円。