真珠養殖場跡地を再生し、複合リトリート拠点やマリンテック実証実験フィールドを運営する「うみらぼ」(志摩市阿児町)社長の川野晃太さんが9月10日に志摩市役所を訪れ、経済産業省中小企業庁が主催する「第7回アトツギ甲子園」の地域アンバサダーに就任したことを橋爪政吉志摩市長に報告した。
志摩「うみらぼ」の川野晃太さん、「アトツギ甲子園」アンバサダーに就任
アトツギ甲子園は、全国の中小企業・小規模事業者の後継者や39歳以下の後継予定者(アトツギ)が、既存の経営資源を生かした新規事業プランを発表し競い合うピッチイベント。地域アンバサダーは47都道府県に各1人任命され、地域の後継者の挑戦を現場で支える伴走支援やネットワークづくりを担う。任期は8月31日から1年間。
川野さんは東京の自動運転スタートアップ企業勤務を経て、コロナ禍のリモートワークを機に地元・志摩へUターン。祖父が営んでいた真珠養殖場の跡地が荒廃している現状を目の当たりにし、「設備や技術、歴史が継ぎ手の不在で消えていく場所に新しい命を吹き込みたい」と家業の承継を決断した。その後、同社を設立して養殖小屋を再生したほか、志摩市と連携した「マリンテックサミット」の開催などを手がけてきた。
川野さん自身、過去に開催された「第5回アトツギ甲子園」の中部ブロック大会に出場し、企業特別賞を受賞。「全国の舞台で自分の構想を言葉にし、外の目線で評価されたことで、『この継ぎ方でいいんだ』と背中を押された。補助金採択への弾みになっただけでなく、全国の挑戦するアトツギ仲間とつながれたことが大きな支えになった」と振り返る。
アンバサダーとしての活動では、参加促進セミナーの企画・登壇や、エントリー希望者の事業プランの壁打ち(相談相手)、行政や支援機関との連携を進める。志摩市内でもビジネスプラン講座の開催が予定されており、10月5日以降に複数回の講座を経て、1月のブロック予選(中部大会)、2月の全国大会を目指す。川野さんは「志摩市から三重県発の全国決勝進出者を出し、『志摩のアトツギはすごい』と認知されるよう後押ししたい」と意気込む。
報告を受けた橋爪市長は「法人がなくなることは街の力が失われることにつながる。後継ぎが踏み出すための横の連携や情報共有の場として、川野さんの経験に基づくサポートは非常に心強い」と期待を寄せる。
川野さんは9月17日に名古屋市内で開かれる「東海アトツギサミット in Aichi」第1部で登壇して実体験を話すほか、第3部の相談会で相談に応じる。中部経済産業局が主催する「アトツギビジネスプラン講座」では10月26日に講師を務める。