「伊勢志摩サミット」開催から10年となる今年、サミット開催時に広島市から贈られた被爆樹木「アオギリ」の「2世」が育ち、昨年花を咲かせ種となった「孫」「3世」の種まきが6月8日、伊勢市立浜郷小学校(伊勢市黒瀬町)で行われた。
2016(平成28)年の伊勢志摩サミット当時、松井一實広島市長から贈られたのは、1945(昭和20)年8月6日、アメリカ軍によって広島市に落とされた原子力爆弾によって被爆したにもかかわらず生き続けるアオギリの「子」に当たる被爆樹木2世の苗木。今回植えられた種はその後、三重県営サンアリーナ(朝熊町)正面に、同じく田上富久長崎市長から贈られた被爆樹木のクスノキと並べて植樹された苗木だったアオギリ2世が2メートルを超える高さに成長し、昨年初めて花を咲かせて実を付け、伊勢市環境生活部人権政策課がその種を大切に集め管理していた「孫」の44粒。5月14日に伊勢市立四郷小学校(楠部町)の1年生15人に託した種45粒と合わせると平和を願う小さな種は89粒に。
当日、同校の児童会と園芸委員の児童24人が参加し、人権政策課の西川翔大さんから原爆で被爆したアオギリについての説明を受けた後、校庭に出て、プランターの土の中に平和への願いを込めて種を植えた。
同校6年生で児童会長の西川縁(えん)さんは「広島の原爆で生き残ったアオギリの種について知った。みんなが平和に過ごせるようになれば」と笑顔を見せた。ウクライナなどの国際情勢のニュースにも触れ、「戦争はしない方がいい。悲惨さを忘れないために、このアオギリが役に立つと思う。10メートルの高さになるまで育てたい」と力強く話した。
同校の東端伸治校長は「子どもたちが平和や戦争について考えるきっかけにしていきたい。中学校で広島への平和学習に訪れた際にも、自分たちが植えたアオギリとつながっていることを実感してもらえれば」と話す。
伊勢市は、1984(昭和59)年に非核平和都市宣言を行ったことを背景に、8月6日に広島市で開催される「広島平和記念式典」へ市内各中学校の代表生徒(各2人)を「ピースメッセンジャー(平和の使者)」として毎年派遣。1993(平成5)年から実施し、これまで528人が参加している。