初夏の風物詩である第43回「斎王(さいおう)まつり」が6月6日、国史跡・斎宮(さいくう)跡(明和町)で開催され、華やかな平安の時代絵巻が繰り広げられた。
明和町・斎宮跡で「斎王まつり」 王朝絵巻を再現した「斎王群行」
斎王はかつて、天皇の代替わりごとに皇族女性の中から選ばれ、天皇に代わって伊勢神宮に仕え、都から伊勢に派遣された。制度上最初の斎王を、天武天皇(670年ごろ)の娘の大来皇女(おおくのひめみこ)とし、制度が廃絶する後醍醐天皇の時代(1330年ごろ)まで約660年間続き、記録には60人余りの斎王が天照大神(あまてらすおおみかみ)に仕え、祈りをささげてきた。その斎王が生活していた宮殿「斎宮」が明和町の近鉄斎宮駅周辺にあったと考えられていることから、同祭は斎王をしのび感謝する祭りとして1983(昭和58)年に始まった。斎宮跡は1979(昭和54)年に国史跡に指定され、発掘調査は今なお行われている。
同祭では、当時をイメージし、平安京を出発した斎王が、斎宮に到着するまでの5泊6日旅を再現した「斎王群行」が行われ、十二単(ひとえ)姿の斎王が「葱華輦(そうかれん)」と呼ぶ輿(こし)に乗り、内侍(ないし)や采女(うねめ)らによる平安装束に着替えた王朝絵巻を再現した行列が町内を行進した。今年の斎王役は志摩市出身の小川奈那子さん、子ども斎王は明和町出身の辻春音さんが、それぞれ務めた。
下村由美子明和町長は、実行委員会やボランティア、1年をかけて準備してきた出演者の労苦を称賛。「斎王まつりは、かつて都からここへ赴いた斎王の歴史と文化を今に伝える、明和町にとってアイデンティティーそのもの。そして日本遺産『祈る皇女斎王の都 斎宮』の魅力を広く発信するためには欠かせないもの」と強調。「平安の思いを今の時代に共に感じることができた。祭りの魅力を多くの人にも伝えていただき、ますます発展していくよう応援してほしい」と来場者へ呼びかけた。