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志摩「的矢カキ」が本格シーズン迎える−地元旅館でも料理提供
(2007年11月01日)
漫画「美味しんぼ」で取り上げられたり、「帝国ホテル」「たいめんけん」など有名なレストランでも食材として利用され、食通の舌を魅了する志摩市の特産品「的矢カキ」の出荷が本格的なシーズンを迎えている。
的矢かきは佐藤忠勇博士(1887年〜1984年)が、安心して生カキを食べられるように紫外線を利用したカキ浄化法を開発し、その処理を施したものを言い、三重県の推進する「三重ブランド」にも認定されている。佐藤博士が開発した技術は、今ではカキ養殖には欠かせないものとして全国のカキ業者に普及している。
また、伊勢神宮の山々を背景に持つ池田川、神路川、野川からの栄養豊かな水が同市磯部町的矢湾に流れ、生息するプランクトンなどの栄養源となるため、それを吸収するカキにとっても好条件となり、甘くおいしいカキに成長する。そのため他県では2〜3年間養殖するカキを1年で出荷できるため、1年貝特有の渋みが少なく甘味が強いカキとなるほか、出荷1カ月前に海から引き上げ、1粒ずつ籠に入れ直し再び1カ月ほど養成させてカキの身入りをよくしている。そうした的矢カキへの評価は高く、東京、関西など全国約700のレストラン、ホテルなどに直接出荷されている。
的矢湾に隣接して建つ「丸定旅館」(同市磯部町的矢、TEL 0599-57-2248)はその的矢カキを使った料理が評判で、的矢カキが出荷されるシーズンになると全国から的矢カキを求めて同館を訪れる客で込み合う。地元で的矢カキを提供する飲食店が少ないことを懸念し、日帰り客にも的矢カキ料理を食べてもらえるように同館の施設の一部を開放し、昼食などで提供している。
同館はもともと避難港として栄えた同地区で、船宿として「定吉屋」の屋号で九州、四国から来る船員の食事などを提供していた。香川県小豆島出身で船乗りだった祖父を持つ「二十四の瞳」の著者・壺井栄(1899年〜1967年)が祖父の墓を探しに訪れた時のエピソードが1955年出版の「婦人画報」に「伊勢の的矢の日和山」として執筆され、「定吉屋」での出来事がそのまま固有名詞とともに文中に残る。6代目になる同館主人の西村和也さんは「その時的矢カキを壺井さんが食べたかどうかまでは定かではないが、的矢という特異な環境だからこそ成り立ったエピソードでは」と話す。
「12月から2月までは的矢カキ料理のオーダーがほとんど。これから水温が下がってくるとさらにおいしくなってくる。新鮮でおいしい的矢カキを食べに来てもらえれば。ただ、本来は旅館なので宿泊客を優先しているので直接来ていただいてもお断りすることもある。迷惑をかけることになるといけないので事前に確認いただければ」(西村さん)とも。
丸定旅館三重ブランド
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