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伊勢おかげ横丁に「君の名は。」効果 伊賀の組紐店に20代男性客

伊勢おかげ横丁に「君の名は。」効果 伊賀の組紐店に20代男性客

伊勢おかげ横丁に「君の名は。」効果 伊賀の組紐店に20代男性客

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 伊勢のおかげ横丁にある伊賀組紐(くみひも)専門店「くみひも平井」(伊勢市宇治浦田)で現在、新海誠監督のアニメーション映画「君の名は。」効果が出ている。

【その他の画像】伊賀組紐の帯締め(三分〆)

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 興行収入が「もののけ姫」の194億円、「ハウルの動く城」の196億円を抜き、年内200億円突破が確実視されている同映画。8月26日の公開から11月14日現在までの興行収入は184.9億円で動員数は12週連続全国1位をキープしている(興行通信社調べ)。

 組ひもは、映画の中でヒロインの宮水三葉が髪を結うシーンや編み上げるシーンなどで登場し、作品の中でも重要な役割を担っている。

 同店販売員は「公開された初日に若いスタッフが映画を見に行った。組ひものシーンが登場するのを見て『すぐにオリジナルの商品を作るべき』と新商品を企画した。映画公開後ほどなく、20代の男性が入店し、4,320円の定番商品『帯締め(三分〆)』(約115センチ)を手に取って、すぐに購入された。これまで20代の男性が買うような商品ではなかったので驚いたが、その後も20代、30代の若い人たちが組ひもを目当てに店内に入って購入してくれた。明らかに映画の影響だと分かった。試作に時間が掛かったが、約3週間後にブレスレット(1,080円)やヘアゴム(864円)などの商品が完成すると、何も説明しなくてもよく売れるようになった」と明かす。

 同店を運営する平井兼蔵商店(伊賀市小田町)社長の平井武央さんは「映画で紹介され、組ひもが若い人たちに興味を持っていただけるようになったのはとても有難いこと。このブームをきっかけに、さらに組ひもから伝統工芸品、日本の和装文化の素晴らしさを伝えることができれば」と話す。

 三重県伊賀市で生産される伊賀組紐の起源は古く、奈良朝以前にさかのぼるといわれ、仏具・神具・武士の甲冑(かっちゅう)や刀のひもなどに使われるために作られていた。伊賀の組ひも生産は江戸(東京)、京都と並んで3大産地と言われ盛んだった。本格的な発展は明治中期から。1976(昭和51)年には国の「伝統的工芸品」の指定を受けた。絹糸を主に金属糸などを組み糸に使い、高台・丸台・角台・綾竹台などの伝統的な組台で組ひもを生産。特に高台による高級手組ひも(帯締めや羽織紐などの和装用品)では国内生産の9割以上を占めた。

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