令和最初の元日に、伊勢志摩からの「初日の出」と「初富士」を同時に見ることができるスポットを紹介する。

【その他の画像】2019（平成31）年元日に伊勢志摩から「初富士」

　伊勢神宮の鬼門を守る金剛證寺（こんごうしょうじ）が山頂に建つ標高555メートルの朝熊（あさま）岳の標高500メートル地点の展望台からは、鳥羽市の神島の左上に富士山を見ることができる。初日の出は、南東方向の太平洋の水平線から6時55分ごろ。山頂までは自動車で伊勢－鳥羽を結ぶ観光有料道路「伊勢志摩スカイライン」で、伊勢神宮内宮（ないくう）前から臨時バス（5時10分、5時30分、5時50分出発の3本）が出る。7時から先着500人に「朝熊山初日の出汁」の振る舞いを準備。開門時間は12月31日7時～1月1日19時、1月2日～15日の期間は6時～19時。富士山と朝日を撮影するなら15日までチャンスがある。

　鳥羽－志摩を結ぶ観光道路「パールロード」の「鳥羽展望台」（鳥羽市国崎町）のある標高162メートルの「箱田山」からも初富士と初日の出を同時に見ることができる。1月1日は2時に開門。展望レストラン「ヴィスタマーレ」（同）は6時から営業（「初日の出チャージ（100～800円）」必要）。駐車場は毎年6時前には満車になり、入場制限を行っているので早めの到着が理想。

　そのほか、鳥羽市のパールロード沿いには、石鏡（いじか）バス停近くの「潮騒の丘」、クジラが観音様を背に乗せやってきたという伝説が残る「鯨崎」（鳥羽市相差町）、伊勢神宮に納める熨斗鮑（のしあわび）を作る「神宮御料鰒調製所」近くの倭姫命が巡幸したとされる碑が立つ「鎧崎（よろいざき）」（鳥羽市国崎町）からも初富士と初日の出を見ることができる。

　「安乗（あのり）灯台公園」（志摩市阿児町安乗）では、「初日の出と初富士」があのり有志の会により6時から開かれ、伊勢エビ汁、フグ汁、粕汁が振る舞われる。「国府海岸」（志摩市阿児町国府）、「浅浜」（同甲賀）、「市後浜」（同志島）、「須場浜」（大王町波切）など、「大王崎」までの海岸沿いからは、障害物がなければほぼどこからでも富士山と初日の出を同時に見ることができる。「国府海岸」には今年11月26日に「伊能忠敬富士山測量記念碑」ができた。

　英虞湾を一望できる標高203メートルの「横山展望台」（志摩市阿児町鵜方）は、昨年できた「横山天空カフェテラス」が人気を集めている。カフェミラドールは6時45分から営業する。日の出時刻は6時57分ごろ、富士山を見るなら日の出時刻30分前にはスタンバイしたい。

　弘法大師が自らの爪で彫ったとされる不動明王を祭る御座爪切不動尊をふもとに持つ標高111.8メートルの「金比羅山」（志摩市志摩町御座）からは英虞湾の向こうに約216キロ離れた富士山を見ることができる。朝日は6時57分ごろに太平洋から現れる。

　伊勢志摩から直線距離で200キロ以上離れる富士山は、早朝の雲のない冬の晴天時によく見える。広域伊勢志摩圏内では多気郡明和町の大淀海岸から志摩市大王町の大王崎までが「初富士・初日の出」スポットとなる。ただし、明和町から伊勢市二見町までの海岸からは、水平線からの朝日は見ることができない。

　「大淀ふれあいキャンプ場」（多気郡明和町）前では毎年「初日の出を迎える会」を開催。浜辺にどんど火をたき、太鼓の演奏と共に初日の出を迎える。豚汁の振る舞いも用意。

　「志摩マリンレジャー」（鳥羽市鳥羽、TEL 0599-25-3147）は、毎年元日に行う特別企画「鳥羽湾初日の出クルーズ」（料金は大人＝1,900円、小人＝950円）を運航、船内でお神酒の振る舞いもある。先着順、6時30分出港。「あご湾初日の出クルーズ」は同時刻に運航するが、水平線から上がる初日の出は見ることができるが富士山は見ることができない。

　「伊勢湾フェリー」（同、TEL 0599-25-2880）は「元日　洋上初日の出クルーズ便」を運航。鳥羽港出港を6時35分、伊良湖港を6時20分、6時35分出航。デイクルージング（鳥羽港出港6時35分、伊良湖港出港7時50分、往復料金大人＝2,000円、小人＝1,000円）。

　気象庁発表の2020（令和2）年1月1日三重県南部地域の天気予報（12月31日11時発表）では、北西の風のち北の風、海上でははじめ北西の風強く、晴れ昼前まで時々くもり、降水確率0％。令和最初の元日は初富士、初日の出共に期待できそうだ。