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明和町出身の音楽家・長岡成貢さん「伊勢神宮と斎宮を音楽でつなぎ世界へ」

明和町出身の音楽家・長岡成貢さん「伊勢神宮と斎宮を音楽でつなぎ世界へ」

明和町出身の音楽家・長岡成貢さん「伊勢神宮と斎宮を音楽でつなぎ世界へ」

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 伊勢市で生まれ明和町で育った音楽家の長岡成貢さんが伊勢神宮外宮(げくう)勾玉(まがたま)池に浮かぶ奉納舞台で8月1日、過去660年間伊勢神宮に仕えた斎王(さいおう)をしのんで作ったオリジナル曲を奉納演奏した。

【その他の画像】伊勢神宮外宮奉納舞台で長岡成貢さんが演奏

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 長岡さんは「高校生レストラン」で話題を集める相可高校(多気町)出身。現在東京を中心に音楽家として活動し、SMAPやEXILE、中島美嘉さんなどさまざまなアーティストに楽曲を提供、ベルリン国際映画祭やハワイ国際映画祭、上海国際映画祭などで喝采を受けた映画「Empire of Silver(白銀帝国)」、ドラマ「TBS日曜劇場~JIN/仁~」などの音楽も担当、幅広く活躍する。明和町の観光大使第1号。

 演奏は長岡さんがキーボードを担当。十三弦箏奏者で第19回日本ゴールドディスク大賞、ニューアーティストオブザイヤーなどを受賞する吉永真奈さん、浜崎あゆみさんやポルノグラフィティ、平井堅さんら数多くのアーティストのレコーディングに参加するバイオリン奏者のクラッシャー木村さん、小野八幡神社の現役神職の涼恵さんと海外で多く活躍する設樂咲枝さんの2人が歌を、地元伊勢市出身で現在は京都で活躍するハープ奏者でソプラノ歌手の速海ちひろさんの計6人が、豊受大御神(とようけのおおみかみ)の神前で全6曲を奉納した。

 長岡さんは「1992年、『斎宮物語~斎王(いつき)の舞』を作って以来20数年間、いつの日か伊勢や斎王を音楽で表現するという夢を抱いて一日も忘れたことはなかった。素晴らしき故郷を音楽にして世界に発信することが僕のライフワークになっていた。自分の生まれ育った『伊勢』、そして『明和町』。この空気、光景、人々全てが音楽家としての今の自分を作り上げた。その御恩を音楽でお返しするのが私の音楽家としての使命」と熱く語る。

 現在、長岡さんは「伊勢~斎王 / The Tale of Ise Saiou~祈りをささげた皇女たちの物語~」のCDアルバムを制作中。「長年の構想と愛する故郷、祈りをささげたひめみこたちへの思いを胸に女性歌手たちが静かに深く歌い上げ、ストリングスやハープ、シンセサイサイザーなど多彩で現代的なアンサンブルで伊勢の宇宙的な世界観を作り上げる。『女神の聖地 伊勢神宮』の著者で式年遷宮のガイド役も務めた千種清美さんと伊勢神宮祢宜で『式年遷宮記念 せんぐう館』(伊勢市豊川町)館長の河合真如さんにも作詞で協力いただいている」と長岡さん。

 今回奉納演奏した6曲は、「倭姫命~ご神託のうた」(日本書紀より)、「ひめみこたちのうた」(作詞・作曲=長岡成貢)、「みそぎはらい」(作詞=夏ノ芹子、作曲=長岡成貢)、「祈りのとき」(作詞=千種清美、作曲=長岡成貢)、「斎王の舞」(作詞=尾上たづ枝、作曲=長岡成貢)「常若(とこわか)の森」(作詞=河合真如、作曲=長岡成貢)。「斎王の舞」の演奏の時には斎王の舞保存会のすみれ組の子どもたちが舞を舞った。

 斎王とは、天皇の代わりに伊勢神宮の天照大神に仕えた、天皇の娘や姉妹などの中から選ばれた未婚女性のことで、都から遠く離れた斎宮で暮らした。飛鳥・奈良時代から約660年、鎌倉時代のころまで制度として行われた。60人以上存在したと言われている斎王の中には、2~3歳で選ばれた人や、結婚を考えていたのに結婚できなかった人、神に仕える身ゆえに恋をすることも許されない、はかない悲恋物語を持つ斎王もいたという。

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