近鉄グループの「都ホテルズ&リゾーツ」に加盟するホテル「都リゾート 奥志摩アクアフォレスト」（志摩市大王町船越、TEL 0599-73-0001）が7月23日、賢島港とホテルを結ぶ送迎と英虞（あご）湾の遊覧を兼ねたクルーズ「あご湾マリンキャブ（Ago-Bay Marine Cab）」の運航を開始した。

【その他の画像】「都リゾート 奥志摩アクアフォレスト」に完成した「入江の桟橋」

　総敷地面積約12万平方メートル、7階建ての宿泊棟（客室数107室）とコテージ（20棟）、温浴施設「アクアパレス」「伊勢志摩温泉ともやまの湯」、天文館などからなる同施設。元々日本郵政公社の保養施設「メルパール伊勢志摩」だったが、日本郵政公社の民営化にともなう資産売却の一環によって近畿日本鉄道（大阪市）が2007（平成17）年に約4億円で取得、約12億円の改修工事を行い、同年7月20日から「ホテル近鉄アクアヴィラ伊勢志摩」として営業を開始。2019年4月1日、同社のブランド再編で現在の名称「都リゾート 奥志摩アクアフォレスト」になった。

　賢島と同ホテルまでは直線距離で約3キロ、陸上交通を利用すると約13キロの位置関係。「あご湾マリンキャブ」は、近鉄賢島駅から徒歩5分の賢島港から出航し、最短で約15分で行けるコースを、横山島と土井ケ原島の間や間崎島と天童島の間など英虞湾の島々を巡リながら約25分掛けて遊覧し送迎する。運航に当たって全長約34メートルのフロート型の専用桟橋「入江の桟橋」を設置、それに付帯する道路の整備などを行った。

　同時に、ホテル最上階7階の客室「アクア・ヴィスタ」（客室面積＝約66平方メートル）をグランピングテーマの内装にリニューアル。屋外にウェーバー社のバーベキューグリルを設置した宿泊者限定のバーベキュー施設「ガーデン・バーベキュー」を2区画整備した。

　「船で行く ホテル満喫 特別宿泊プラン（1泊2食）」1人＝21,000円～（利用期間7月23日～9月30日）は、「アクア・ヴィスタ」宿泊、送迎遊覧クルーズ片道乗船、館内利用券1,000円分、女性限定MIKIMOTO（ミキモト）のコスメ・バスセットが付く。「ガーデン・バーベキュー付き特別宿泊プラン（1泊2食）」1人＝17,000円～（同7月23日～10月31日）は、US牛ロース、パールポークと野菜のブロシェット、ソーセージなどが付くバーベキューセットを夕食時に利用できる。

　初の乗船者となった愛知県在住の家族は「子どもを喜ばせようと予約したが、景色が最高だった」「すごく楽しかった。車とは違うところが良かった。いい体験ができた」と感想を述べる。

　同ホテル営業部長の片山剛（たけし）さんは「船は5人乗りでスタートするが、9人乗りの船を準備している。実は新型コロナウイルスの影響で船のエンジンが入荷できないで納期が遅れている」と打ち明ける。

　同ホテル総支配人の上田健治さんは「風光明媚（めいび）な英虞湾の景色を楽しんでいただければ。今後、モーニングクルーズやサンセットクルーズなど船舶を活用したサービスの拡充も計画している」と話す。

　「あご湾マリンキャブ」の運航時間は、賢島港発＝14時30分と15時30分、ホテル発＝10時と11時、料金は片道1人＝1,500円。前日の16時までの予約が必要。運航期間は7月～10月、2021年4月～10月。賢島駅ーホテル間のバスによる送迎は無料。

　同ホテルは、新型コロナウイルス感染拡大防止のため4月13日～7月17日までの期間休館していた。現在、スタッフの検温、体調申告、手洗い・うがい、マスクの着用などを徹底。施設の除菌、室内換気、ビュッフェスタイルの中止、温浴施設の入場制限などを行い、新型コロナウイルスの感染拡大防止に向けて取り組んでいる。