「子どもにニコッと笑い返すと」祭りの始まり-志摩の潮かけ祭りは天下ご免

「子どもにニコッと笑い返すと」祭りの始まり-志摩の潮かけ祭りは天下ご免

「子どもにニコッと笑い返すと」祭りの始まり-志摩の潮かけ祭りは天下ご免

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 「子どもが海水でいっぱいになったバケツを両手で持ちながらニコッと笑った。ニコッと笑い返すと、海水で全身びしょ濡れになった。港に到着してすぐのこと。防水カメラで良かった」と話すのは、伊勢志摩経済新聞担当カメラマンの北井誠也さん。昨年初めて「洗礼」を受けた体験談だ。

「潮かけ祭り」で海女の船が狙われびしょ濡れに

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 黒潮踊る太平洋上に浮かぶ無人島「和具大島」(志摩市志摩町和具)の祠(ほこら)に同地区の氏神「八雲神社」の市杵島姫命(いちきしまひめのみこと)が里帰りすることを祝う祭りが7月1日、沖合約3キロ離れた同島で執り行われた。

 海の安全と大漁を祈願する同祭は、毎年旧暦の6月1日に行われ約790年続く。その歴史は古く1221(承久3)年にさかのぼるとされる。正式には「大島祭り」と呼ぶが、海女や漁師らが海水を掛け合うことから「潮かけ祭り」の方が一般的になった。別名「じんじん」。もともと漁業関係者が中心の祭りだったが、海水を誰にでも掛け合える「天下ご免」の祭りとして一般の人たちやカメラマン、観光客らも参加し大いに盛り上がる。

 海女たちがこの日の朝取ってきたアワビやサザエを祠に供え、神事が行われる。神事が終わると、身を清める「みそぎ」の代わりとされる「潮かけ」が始まる。誰彼構わず海水を掛け合ったり、人を海に投げ入れたりする。船に乗り込むと今度は船同士で海水を掛け合う。

 祭りに参加した約40隻の船の上では乗船した人々がホースやバケツで海水を掛け合う。船頭は前後左右を確認しながら船同士接触しないように舵(かじ)を切る。海女だけの船を見つけると複数の船がその船を狙って集中攻撃する。港に到着しても潮かけは続き、今度は見物客がターゲットとなる。全身ずぶ濡れになった見物客は、いつの間にか潮かけに参加し、仲間もずぶ濡れにしていく。

 昨年に引き続き2度目の取材に参加した北井さんは「今年は子どもたちと目を合わさないように注意をしていたので、なんとか難は逃れたが…。船に乗り込み防水カメラで撮影していると、同乗していた『仲間』がニタッと笑った…」やはり今年も全身びしょ濡れになった。

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